マージョリー・ビーブ
Margerine
「水陸競争楽」に主演したマージョリー・ビーブ嬢の主演する映画で、ルー・アレスロウ氏とヘンリー・ジョンソン氏との合作したストーリーを、ギルバート・プラット氏が脚色し、それによって古くはヴァイタグラフの喜劇の監督をしていたノーマン・タウログ氏が監督したものである。ビーブ嬢の相手役は「出世水兵」「痛ましの親心」主演のリンカーン・ステッドマン氏で、その他「親爺若返る」のアーサー・ストーン氏や喜劇でお馴染みのジミー・アダムス氏、等が助演として出演する。
マージャリンという田舎の娘にも発明家を以て任するノアという同じく田舎の青年である所の恋人があった。マージャリンの父のホプキンスは余り評判の香しからぬチーズの製造をやっていて最近では少なからず貧乏し、今では農場とチーズ工場とが人手に渡りそうになっている。所がノアは包装器を発明完成したのでこの権利を売って一家を救おうと健気にも考えたのであったが、その時、都から紳士の仮面を被ってスミスというシレ者がやって来て、巧みにマージャリンに取り入り、ホプキンスの農場と貯金五百ドルとを捲き上げようと企てた。そしてマージャリンは危うくその罠にはまろうとした。その時、ノアの器械が認められ村の市に照会される様になった。スミスはチーズの悪臭止めの器械兼用と偽り、村人の金を集め、それを持って高飛びをしようとしたが、たちまちそれは発覚し彼は村から追い出されてしまった。ノアの器械は都の資本家に買い取られた。そこで田舎娘マージョリンの一家にも春が来た。
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