ビービー・ダニエルス
Barbara_Manning
「娘十八泳げや泳げ」「女シーク」に次ぐビービー・ダニエルス嬢主演喜劇で本年度第1回の作品である。「神ぞ知る」「カナディアン」等の脚色家ハワード・エメット・ロジャース氏が執筆した物語をキーン・トンプソン氏とニック・バロウズ氏とが改訂脚色し、「チョビ髭成功美談」「好いて好かれて」等をものしたグレゴリー・ラ・カヴァ氏が監督したもの。相手役は、「つばさ」「女シーク」等出演のリチャード・アーレン氏が勤め、「女シーク」「男装女剣客」にもダニエルス嬢と共演したウィリアム・パウエル氏が悪役を演じ、チャールズ・セロン氏、ハイニー・コンクリン氏、ジョージ・アーヴィング氏等も出演している。(六巻)
衛生狂と呼ばれた金満家マニングが死んだ。その遺言状に曰く、「娘バーバラが我が遺産を相続するためには満二十一歳にたちするまで絶対に病原菌に冒されざることを要す」。そこで直接監督の任に当ったバーバラの叔父エドガーは消毒防疫至らぬ隈もない物々しい養育振り。当のバーバラもかくて自分の身体は弱いもの、病気の予防はこうしなければならぬものと思い込んで成長した。そして愈々バーバラ・マニング嬢の第21回の誕生日、すなわち遺言の要求する衛生第一箱入り娘期間が終る当日、テキサスに住んでいるも1人の叔父ウィルバーフォースがやって来て、エドガーから監督の任を引受ると同時に衛生万能主義を排して野蛮な田舎で自然生活をバーバラに強いると言い出した。自ら身体虚弱と誤り信じている彼女はこれに怖れをためして、父の遺言の一たるマニング島の療養院に身を隠すことにした。ところがこの療養院というのはトッドと呼ぶ悪党を巨魁とする酒類密輸入者団の根拠地として占領されて了っていた。とは知らぬバーバラはトッドを院長、手下共を入院患者と思込んだのである。トッドは得たりとバーバラを誘惑しようとしたが、新米の部下ウォーレス・ロバーツが彼女の危機を救った。ロバーツが彼女を連れて脱島せんとした時他の悪漢団が襲来してトッド一味と大乱闘を始めた。この大騒動の最中バーバラは縦横に活動してロバーツを助け出した。ロバーツは探訪記者で悪漢ではないこと、また彼女自身人間並以上に強いこと、を知ったバーバラがこの後いとも幸福な生活に入ったことは言うまでもない。
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