チョ・ミンジュ
ジェヨン
ポン・ジュノ、ホ・ジノらを輩出した韓国映画アカデミー(KAFA)が2017年度長編デビュープログラムとして制作・公開した秀作アニメーションの1本。1980年代を背景に描く、内気な少年とその家族が織りなす、懐かしい“あの日”の物語。統営(トンヨン)の港や釜山の古書店街などがリアルに再現され、古いカラー映像を思わせる印象的な色彩が見る者をノスタルジックな世界へといざなう。日本未公開の韓国アニメ5本を特集する「Cinem@rt韓国アニメセレクション」(シネマート新宿/心斎橋にて2023年1月27日から)にて上映。2022年12月23日(金)から「おうちでCinem@rt」にて先行独占配信。
1983年夏。韓国南部の小さな港町に、ちょっと内気な小学生ジェヨンが暮らしていた。彼の家族は、両親と姉と妹、それに父親がかわいがっている2匹の犬、珍島犬の“ジンジン”と秋田犬の“アキタ”。魚市場で働く父は、毎日酔っ払って帰宅してはジェヨンたちをしかり飛ばし、母親ともしょっちゅう衝突している。家族を困らせて犬たちだけに愛情を注ぐ父親の姿に、寂しい気持ちを募らせていくジェヨン。ある日ついにその不満が爆発し、ジェヨンはジンジンの鎖を外して、家から追い出してしまう。ところが、放たれたジンジンは興奮して子どもたちを追いかけ回し、なぜかそこにアキタも加わって、町中が大騒ぎに。だが警察に大目玉を食らった父親は、思いもよらぬ行動に出る。ジェヨンはその真意を測りかねるが……。