1971年公開、「屋根の上のバイオリン弾き」のバックストーリーを追ったドキュメンタリー。ロシア革命前夜のウクライナに暮らすユダヤ人一家を描いたブロードウェイ・ミュージカルを映画化したスタッフ・キャストのインタビューを通して、その成立過程が明らかになる。出演は、ノーマン・ジュイソン監督、音楽を担当したジョン・ウィリアムズ、主人公テヴィエを演じたトポル。監督は「ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー」のダニエル・レイム。
ストーリー
ショーレム・アレイヘムのベストセラー小説『牛乳屋テヴィエ』を基にしたブロードウェイ・ミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』。日本でも森繁久彌や市村正親主演による公演が長年に渡り多くのファンを引き付け、2021年に公演開始から50周年を迎えた。物語の背景にはロシア革命前夜、ウクライナのユダヤ人一家の日常と苦難の歴史が垣間見える。この人気ミュージカルを映画として再構築し、帝政ロシア下のユダヤ人の生活をスクリーンに映し出したのは「夜の大捜査線」「ジーザス・クライスト・スーパースター」のノーマン・ジュイソン監督。当初はユダヤ人しか見に来ないと言われた作品だったが、米・ニューヨーカー誌の名物評論家・ポーリン・ケイルが“最も力強いミュージカル映画”と絶賛したように世界的ヒットを収めた。なぜユダヤ人一家を描いた物語は世界的名作となったのか。撮影から50年後、ジュイソン監督は「なぜ特に思い入れが?」との問いに「冒険だったから」と語る。年頃の5人の娘を持つ主人公テヴィエの物語には普遍的なテーマがあると振り返る。そんなジュイソン監督はトロント生まれ。「物心ついた時からユダヤ人になりたかった」という。故郷を追われたユダヤ人の歴史を映画に取り込み、舞台には不可能な形で描こうとしたのだ。本作は、音楽を担当したジョン・ウィリアムズや主人公テヴィエを演じたトポル、3人の娘役たちへのインタビューや、ロケ地を巡る困難、舞台セットや撮影に凝らした数々の工夫などを丹念に追い、世界中の人々の心を掴み続ける「屋根の上のバイオリン弾き」の舞台裏を解き明かしてゆく……。
スタッフ
監督、脚本、製作、編集
ダニエル・レイム
脚本、共同製作
マイケル・スラゴウ
ナレーション
ジェフ・ゴールドブラム
製作
サシャ・バーマン
製作総指揮
マシュー・H・バーンスタイン
撮影
アスルブ・オースタッド
撮影
シニサ・クキッチ
音楽
デヴィッド・レヴォルト
美術
パトリック・メート
整音
アダム・パリッシュ・キング
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- FIDDLER'S JOURNEY TO THE BIG SCREEN
- 製作年
- 2022年
- 製作国
- アメリカ
- 配給
- パンドラ
- 初公開日
- 2023年3月31日
- 上映時間
- 88分
- 製作会社
- Adama Films
- ジャンル
- ドキュメンタリー
[c]キネマ旬報社