演劇カンパニー「マレビトの会」が、「広島」「長崎」「福島」という未曾有の体験を経た都市の過去と現在を複眼的に捉えて創作した舞台『長崎を上演する』(2013-16年)、『福島を上演する』(2016-18年)に続いて発表する映画。同タイトルの演劇作品も今後創作する予定。“被爆都市”として語られる大文字の歴史ではなく、そこに住まう人々の、歴史から零れ落ちる日常の時間を描くことで、広島の「いま」を捉え、核の脅威と映像の時代における「ドラマ」と「上演」の新たな可能性を探る。4人の映画監督、三間旭浩、山田咲、草野なつか、遠藤幹大が、それぞれの作品を創作した。2023年・第24回東京フィルメックス・メイド・イン・ジャパンとして上映。その後、ユーロスペース(渋谷)にて一般公開。
ストーリー
【しるしのない窓へ】(監督:三間旭浩)=広島市内のアパートで生活を共にする真琴と純平。真琴はライターの仕事を、純平は服を作る仕事をしていた。生活の合間を縫って詩を書いていた真琴は、大学生の友人・宇美と、広島の川をモチーフに詩を共作し始める。川のように流れ、循環する「窓の中の生活」へ向けて。【ヒロエさんと広島を上演する】(監督:山田咲)=広島の原爆投下時に爆心地から約1kmで胎内被曝したヒロエが、自身として、自身の母として、そしてある人生の語り手としてカメラに向かって語りかける。【夢の涯てまで】(監督:草野なつか)=アーティストのよしみは仕事のかたわら、家で絵を描いたり陶芸を作ったりして毎日を過ごしている。大切な存在を喪ったばかりの彼女は、その整理が未だつかないままでいた。【それがどこであっても】(監督:遠藤幹大)=ある劇団が広島についての演劇作品のリハーサルを行っている。音響スタッフとして参加している難聴の青年は、上演の準備のために東京の郊外にフィールドレコーディングに向かう。さまざまな環境音を記録しながら散策しつづけるうちに、思いもよらない音を聞き取り始める。
スタッフ
監督
三間旭浩
監督、撮影
山田咲
監督
草野なつか
監督
遠藤幹大
製作総指揮
松田正隆
撮影
井山永一郎
撮影
飯岡幸子
撮影
高橋航
録音
宋晋瑞
録音、サウンドデザイン
荒木優光
録音
西垣太郎
音響
黄永昌
演出補
倉橋真奈美
整音
重盛康平
制作
三宅一平
制作協力
森真理子
制作協力
吉田雄一郎
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 製作年
- 2023年
- 製作国
- 日本
- 配給
- マレビト
- 初公開日
- 2023年12月9日
- 上映時間
- 133分
- 製作会社
- マレビト(企画:マレビトの会)
[c]キネマ旬報社