アイリーン・ダン
Julie_Gardiner
古くは「シマロン(1931)」「ロバータ」「最後の抱擁」最近では「ドーヴァーの白い断がい」「再び一緒に」「二十一歳以上」のアイリーン・ダンと、名作「コンドル(1939)」「この虫十万ドル」に主演、最近「さみしき心のみ」「夜に昼に」「ノートリアス」等で活躍しているケーリー・グラントが「新婚道中記」の名コンビを復活して、ジョージ・スティーヴンス監督の下に製作された一九四一年度作品。助演者は「丘の一本松」「月は我が家」「セイルムの娘」「桃色の旅行かばん」に出演し、最近では「南部の人」で名技を示したビューラ・ボンディが光っている。監督ジョージ・スティーヴンスはフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの「有頂天時代(1936)」キャサリン・ヘプバーンの「偽装の女」その他「愛の弾丸」「踊る騎士」を演出している。脚色者モリー・リスキンドは「海は桃色」「愉快なリズム」「襤褸と宝石」を脚色した。
養女ではあったが幼児のときから育てたトリナが六歳の時に死んで以来、ロジャー・アダムと妻のジュリーの生活は寞たるものになった。二人は生活に張りを失い、ついにジュリーは離婚を決心して家を去ろうとした。その時彼女は手近にあったレコードをかけた。それはロジャーとジュリーを結ばせた懐かしい曲であった。ジュリーはそのメロディに昔を回想するのである。ジュリーが働いている楽器店で二人は知り合った。ロジャーは新聞記者であった。彼はジュリーを愛していたが六カ月も結婚を申し込まないので、彼女は焦燥していた。大晦日の夜ロジャーが訪れて来て突然求婚した。彼の新聞社の東京特派員が就職したので彼が後任に決定し、元日の朝出発するから、その夜のうちに結婚してくれとの話だった。二人は直ちに式を挙げ、ロジャーは新妻に次の駅まで送られて慌ただしく東京へ出発した。三カ月後ジュリーは東京に迎えられた。美しい日本の家や立派な家具が彼女を喜ばした。だがロジャーが金銭に無頓着で身分不相応な贅沢をするのが心配だった。彼女はすでに妊娠していたので将来の計画を立てねばならぬ立場だったのだ。ある日夫が、八千ドルの遺産を貰ったので世界旅行に出るといい出した。しかも彼はすでに辞職していたので、夫の無計画さを彼女は避難したので二人は気まずい気持ちになった。その日突然大地震が起こり、屋内にいたジュリーは心身に打撃を受けた。数週間後二人はアメリカへ帰り、ジュリーはサンフランシスコの病院で流産し、その結果彼女は再び赤ん坊を産めぬ身体になってしまった。ロジャーは田舎の小さな町の新聞社を買収し、元の新聞社から親友のアブルジャックを呼んで地方新聞の発行を続けた。ジュリーは夫が着実な仕事についたのがうれしかったが、二人の間に子供がいないことがさびしかった。その気持ちを察したアブルジャックが二人に養子をもらうように勧めたので、二人は養育院へ行って生後五週間のトリナという女児を貰った。始めて幼児を育てることは二人にとって大変な仕事だったが、すでに経験のあるアブルジャックの手助けでどうやら切り抜けることができた。二人の生活は子供を中心に平和に流れた。しかし新聞社の仕事は順調にいかず一時は発行を停止せねばならなかった。そうした時養育院院長オリバァー老人が、トリナのその後を調査に来て、ロジャーの収入が皆無であることを見て規則に従い裁判所にその旨を報告した結果トリナは二人の手から離される運命になったが、ロジャーがトリナを連れて裁判所に出廷し判事に事情を訴えて娘を手ばなすことを許してもらった。再び明るい生活が立ちもどりトリナは六歳になった。そして協会のクリスマスの劇で主役を勤めるほど聡明な子になった。しかるにふとした病気がもとで幼い生命は消えてしまった。ロジャーはあらゆるものに興味を失い、人に会うのさえいやがるようになってしまった。彼女はこれ以上二人の生活を続けていくことが無意味だと考えて、離婚するために家を出ようと決心した。ーレコードが止まると共に彼女の回想は切れた。彼女は夫に別れを告げて立ち去ろうとした時、養育院のオリバァー夫人から電話で適当な子供が見つかったから連れにくるようにと言ってきた。二人は希望に輝く目を見交わすのだった。
Julie_Gardiner
Roger_Adams
Miss_Oliver
Applejack
Dotty
Trina
Doctor_Hartley
Billings
Judge
監督、製作
脚本
撮影
音楽、音楽監督
美術
編集
助監督
アソシエイト・プロデューサー
脚色