真夜中の青春
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真夜中の青春

1971年11月27日公開
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何不自由なく育った富豪の息子が、黒人スラム街で経験する愛とヒューマニズムと現実との相剋をユーモラスなタッチで描いた映画。製作はノーマン・ジュイソン、監督は編集から転身のハル・アシュビー、脚本はウィリアム・ガン、撮影はゴードン・ウィリス、音楽はアル・クーパーがそれぞれ担当。出演はボー・ブリッジス、「夜の大捜査線」のリー・グラント、「ポギーとベス」のパール・ベイリー、ダイアナ・サンズ、ルイス・ゴゼット、新人のマーキー・ベイなど。

ストーリー

大富豪の息子エルガー・エンダース(ボー・ブリッジス)がやっと到達した哲学的思考は、人間の生命力として最強の衝動は領地を得ようとすることだというものだった。彼が早速手に入れた領地は、黒人スラム街ド真中のアパート。ここに住む黒人たちも驚いた。変な白人野郎が家主になったのだから、何を企んでいるのかと警戒した。寄席芸人あがりで占い師をしているマージ(パール・ベイリー)、魅力的で気さくなファニー(ダイアナ・サンズ)とその嫉妬深いインディアンの夫コピー(ルイス・ゴゼット)、塾を開いているデュボイズ教授(メルビン・スチュアート)らが借家人だった。エルガーは良き家主となるため数え切れないほどの彼らの要求を聞き、彼らを理解するために黒人社会に没入していったが、彼の母親(リー・グラント)は底抜けのほがらかさと、恐るべき無関心さでマージと一緒に酔っぱらい、いとも簡単に異人種の偏見の垣根を乗り越えてしまっていた。エルガーはキャバレーの踊り子の、黒人の混血娘レイニー(マーキー・ベイ)に恋するようになった。そのころ、コピーが逮捕され、1人ぼっちになたファニーを慰めているうちに、エルガーはファニーと関係してしまった。デュボイズ先生の塾を見学したエルガーは、子供たちが驚くべき高等教育を受けているのに圧倒されてしまった。「私はブラック。ブラック・イズ・ビューティフル!」子供たちの声は、エルガーがなんとなく持っている白人優生の意識を、なんとも自信のないものにしてしまった。コピーが釈放されて帰ってきたとき、一騒動がもち上がった。ファニーが浮気して妊娠したと告白したからだ。コピーは逆上し、エルガーを殺してやると追い廻し、ついに発狂してしまった。エルガーは真剣に人を愛すること、子供に対する責任という重大問題に直面した。彼がどう動くか?それによって、せっかくとけ込んだこの社会との間に深い溝ができるだろう。ファニーは出産した。彼女はエルガーの結婚申し込みを断り、自分はコピーの看護に全力をつくしたいからと彼に赤ん坊を託した。赤ん坊をかかえたエルガーは走った。自分と赤ん坊を助けてくれるものは、愛するレイニーしかないと確信したからである。

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作品データ

原題
The Landlord
製作年
1971年
製作国
アメリカ
配給
ユナイト
初公開日
1971年11月27日
製作会社
ミリシュ/カーディア 2世プロ作品


[c]キネマ旬報社