米国インディペンデント映画の先駆者の一人、ベット・ゴードンの長編第一作。70年代末から80年代にニューヨークのアンダーグランドで起こった音楽やアートのムーブメント「ノー・ウェイヴ」周辺で活動した映画作家ゴードンが、「セクシュアリティ」「欲望」「権力」をテーマに大胆な探求と創作を行う記念碑的作品。アルフレッド・ヒッチコックの「めまい」(58)に想を得た物語で、脚本は実験的な小説家として日本でも 1990 年代に盛んに翻訳書が刊行されたキャシー・アッカーが担当。撮影は「コーヒー&シガレッツ」(03)のトム・ディチロが担う。音楽は、バンド『ラウンジ・リザーズ(The Lounge Lizards)』で活動していたジョン・ルーリー。2024年11月に特集上映「ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク」の一本として日本初上映。ベット・コードンの中編「エンプティ・スーツケース」(80)、短編「エニバディズ・ウーマン」(81)と三作同時公開。
ストーリー
ニューヨークのタイムズ・スクエアの近くに、ポルノ映画館「Variety」が建っている。チケットを売るクリスティーン(サンディ・マクロ-ド)は、ある日、一人の男性客と言葉を交わす。依頼、彼女はその男を追いかけるようになる。