
芥川賞作家・中村文則の小説『火』を、奥山和由が監督兼脚本で映画化。街の人混みの中を歩き、精神科医院を訪れたひとりの女。患者用のリクライニングチェアに身を横たえた彼女は、幼少の頃、カーテンに放った火で起こった事件からその生涯を語り始める。出演は瀧内公美(「由宇子の天秤」)ただ一人という実験的作品。
ストーリー
ひとりの女(瀧内公美)が、街の人混みを歩く。まるで糸の切れた風船のように。生きることすら危ういと感じさせるその女が辿り着いたのは、一軒の洋館。女は思い出す。そこは以前、何度か訪ね、診てもらった精神科医院だった。人の気配のないまま、ドアが開く。静けさが待ち受けている。医師は今もどこかにいるのか? 部屋の空洞に吸い込まれるように、中に入っていく女。そして以前と同じように、患者が座るリクライニングチェアに身を横たえる。それはあたかも、目の前にあるピエロの人形に見つめられているかのようだった。そして彼女は“火の……火の話から始めることにします”と幼少の頃、カーテンに放った火で起こった事件から話し始める。そして……“今日は、全部話す”と。
スタッフ
監督、脚本
奥山和由
原作
中村文則
撮影監督
戸田義久
音楽
加藤万里奈
美術
部谷京子
編集
陳詩[女亭]
衣裳デザイン
ミハイル ギニス アオヤマ
ヘアメイク
董氷
照明
中村晋平
録音
伊藤裕規
音響効果
大塚智子
プロデューサー
豊里泰宏
劇中絵画
後藤又兵衛
チケットby MOVIE WALKER STORE
一般 ¥2000