麗
水口遊
手探りで映画をつくる5人の高校生たちの姿を、虚実を横断する唯一無二の手法で切り取ったPFFアワード2023グランプリ受賞作。景はほのかに想いを寄せる遊から自主映画のカメラマンを頼まれる。仲間を集めて撮影が進むなか、突然、遊が辞めたいと言いだし……。ヒロインの遊に扮するのは日本のバンド、チョーキューメイのメンバーとしても活躍する麗。監督・脚本・撮影・編集を務めた中野晃太による劇場デビュー作。
写真が好きだがしっくりしたものが撮れない高校3年生・関野景(武藤優汰)。ある夏の日、景は遠い存在と思っていた同級生の水口遊(麗)から映画づくりに誘われる。遊が撮りたい映画は「絵描きの男の子と落ち着きのない女の子が“時間の流れない世界”を目指して旅をする」物語だという。友人の小川アリサ(タカノアレイナ)、橋本海(大原奈子)、相原二郎(千葉龍青)も集い、撮影が始まった。共に創作をする喜び、ほのかな恋心、過去の行き違い……そんな様々な思いを抱える彼らの関係が、撮影の時間とともに変化してゆく。繰り返す彼らの夏が辿り着くラストシーンとは……。
[c]キネマ旬報社