リー・メジャース
Frank
ベトナム戦争で左腕と左脚を失った若者の、スキーを通しての友情と勇気を描く。製作はアラン・バルター、監督はセオドア・J・フリッカー、脚本はアラン・バルターとセオドア・J・フリッカー、音楽はジミー・ハスケルが各々担当。出演はリー・メジャーズ、ジェームズ・ステイシー、バーバラ・ハシーなど。日本語版監修は岡枝慎二。イーストマンカラー、ビスタサイズ。1978年作品。
フランク(リー・メジャーズ)は、子供の時、スキーを共にした友人ケニー(ジェームズ・ステイシー)と何年振りかで再会した。彼の目の前に立つケニーは、しかし、右足右腕だけの無残な姿であった。ケニーは、ベトナム戦争で親友であるフランクに救援を頼んだが、フランクが周囲の情勢でケニーの部隊を救出にいかなかったため、ケニーは地雷を踏み片脚片腕を失ったのだった。それ以来、ケニーはフランクの裏切りを憎悪することによってのみ生きていた。そして、フランクは、ケニーと再会したその日以来、献身的に彼につくすようになる。フランクは、ケニーにスキーを教え込み、人を憎むことよりスキーに熱中する昔のケニーの心を取り戻すことに全力を尽した。或る晩、ケニーはニッキー(バーバラ・ハシー)というチャーミングな女性と知り合い彼女にひかれるものを感じた。ニッキーも、ケニーをすぐに好きになったが、体に障害のある彼と結婚することを考えると、自信がなかった。そして、今のうちに別れた方が傷が深まらなくてすむと考え、ケニーから遠ざかっていった。そのことをニッキーから直接聞いたケニーは、その日、自暴自棄になり、急スロープから滑り、足を折ってしまった。再び病院で車イスの生活をはじめたケニーは、同じ不幸を背負っている仲間達に自分が1本の足で雪の上を滑っている写真を見せ、勇気と自信を皆に与えた。そして、ケニーが入り口に目を向けると、ニッキーが立っていた。互いに素直に微笑をかわすことができた2人は、それから再び交際をはじめた。ケニーが回復し滑れるようになった時、彼はニッキーにプロポーズした。翌日、ニッキーはそれを受け入れた。それを知ったフランクは、心から2人を祝福するのだった。(ジョイパックフィルム配給*1時間37分)
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