レイ・ミランド
Capt. Robert_John_Evans
「白昼の対決」に続き米の俳優レイ・ミランドが自演、自監督した第2作。製作も彼自身の担当である。「地獄の埠頭」のマーティン・ラッキンのオリジナル・ストーリーを「白昼の対決」のジョン・タッカー・バトルが脚色した活劇篇。撮影は「烙印なき男」のジャック・マータ、音楽は「回転木馬」のネルソン・リドル。主演は「夢去りぬ」のレイ・ミランド、「長い灰色の線」のモーリン・オハラ、「汽車を見送る男」のクロード・レインズ、「覆面の騎士」のイヴォンヌ・フュルノオ。
かつて風光を誇ったポルトガルの首都リスボン。大西洋に面したこの港は今日、密輸業者たちの基地となっている。その1人ロバート・エヴァンス(レイ・ミランド)は、快速艇オルカ号を駆り、密輸のスリルを楽しんでいた。密輸団を牛耳るマヴロス(クロード・レインズ)は名うてのペテン師であるが、自分の縄張りまで侵してくるエヴァンスを我慢出来ず、狡知をめぐらせた上、丁度ころげこんできたロイド・メリル事件を担当させて彼を雇い入れ一挙に片づけようとする。ロイド・メリルは大資産家の米人。共産主義者のためこの港に2年越し拘留されていた。彼はすでに老齢だが、その若い妻シルヴィア(モーリン・オハラ)がやって来て、巨額の報酬でマヴロスに夫救出を頼む。マヴロスは沖合の海上で身代金と交換されるロイドをエヴァンスに引き取らせた上、同乗させた殺し屋セラフィムに2人を片付けさせようと考えた。その前に、夫を愛していないシルヴィアに彼を殺せば全財産が転げ込むと説きつけ、同意を得た上、さらに自分の懐へと目論む。しかしシルヴィアは殺害計画が恐ろしくなりかねて慕っていたエヴァンスにすべてを告白。また、これもエヴァンスを慕うマヴロスの情婦の1人マリア(イヴォンヌ・フュルノオ)も、マヴロスとセラフィムの密談を彼に伝える。エヴァンスはそ知らぬ顔でセラフィムと出航。ロイドを受け取った帰途、老人を殺そうとしたセラフィムを格闘の末、ロケット照明弾で海中へ転落させ、無事なロイドを連れてリスボンへ引揚げてきた。驚くマヴロスから約束の礼金を受取ったエヴァンスは彼を警察へ引き渡し、シルヴィアに老いた夫をいたわるよう忠告。純愛を捧げていたマリアを伴い、新しい冒険へと出発する。
Capt. Robert_John_Evans
Sylvia_Merrill
Aristides_Mavros
Maria_Moddalena_Masanet
Serafim
Lloyd_Merrill
Jaao_Casimiro_Fonscca
Edgar_Selwyn
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