グレゴリー・ペック
Sam_Varner
劇場用映画製作にのり出してCBS・TV製作部門のひとつのNGP(ナショナル・ジェネラル・ピクチャーズ)の日本公開第1作。セオドア・V・オルセンのベストセラー小説を「アラバマ物語」のホートン・フートとアルヴィン・サージェントとが共同で脚色「下り階段をのぼれ」のロバート・マリガンが監督した西部劇。撮影は「暗くなるまで待って」のチャールズ・ラング、音楽は「合併結婚」のフレッド・カーリンが担当している。出演は「マッケンナの黄金」のグレゴリー・ペック、「グラン・プリ」のエヴァ・マリー・セイント、「禁じられた情事の森」のロバート・フォスター、ノーランド・クレイなど。製作は「下り階段をのぼれ」のアラン・パクラ。
1881年、アリゾナ。白人に反抗するインディアンもしだいに平定されていったが、たまたま、白人の指定した居留地を嫌ったアパッチの一部に暴動が起こった。鎮圧にむかった1隊の先道に当ったのは、この道15年のベテラン、サム・バーナー(グレゴリー・ペック)である。彼はこの仕事を最後に引退し、彼が育てた混血青年ニックに後事を託し、余生をニューメキシコの牧場で送ることを楽しみにしていた。一行はほどなく、老人や女子供ばかりのアパッチの一団を保護したが、その中に1人の白人女性(エヴァ・マリー・セイント)がいた。彼女は混血の少年を連れており、サラ・カバーと名のるだけで、多くは語ろうとしなかった。彼女は10年ほど前、アパッチに全滅させられた、カーバー隊の隊長の娘だった。一行は、このアパッチの一団を連れてキャンプに戻った。途中、3人の白人の惨殺死体が発見された。その手口から見て、これは凶暴さでその名の高いサルバヘの仕業と見られた。サラは全身に恐怖を表わした。そしてキャンプから1人でニューメキシコへ発とうとするサムに必死で一緒に連れて行ってくれるよう懇願した。やむなくサムは同行を認めた。が、それ以後、サムは執拗なサルバヘの追跡をうけ、数度危機にさらされることになった。サラの連れた子はサルバヘの子供だったのである。いつしか孤独なサラの姿にひかれたサムは、彼女に、求婚した。ニューメキシコへ着き、サムには平和な暮らしが続くはずだった。が、そんなある日ニックが訪ねてきた。サラ母子を求めてサルバヘは復讐の鬼と化し、暴虐の限りをつくしているとのことだった。そしてついに、サルバヘはサムのまわりにしのびよって来た。サラがさらわれかけ、近所のメキシコ人が殺され、彼の愛していた犬も虐殺され…。ついに意を決したサムはニックと陽動作戦を展開した。しかし、機敏なサルバヘにニックは撃たれた。サムとサルバヘの一騎打ちが展開された。銃弾をうけてもサルバヘはなお、サムに向かって来た。が、ついにサムはサルバヘを倒した。サムは疲れきっていた。
Sam_Varner
Sarah_Carver
Her_son
Nick
Ned
Saivaje
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