シドニー・フォックス
Bess_Girard
ウィリアム・A・グルウの筆になる舞台劇を「国境の狼群(1930)」「サンタ・フェ・トレイル」のエドウィン・H・ノッフが「母性」のグラディス・レーマンと協力して脚色し、自身メガフォンをとった映画で主なる出演者はユ社売出しのシドニー・フォックス、「アメリカの悲劇」のフランセス・ディー、「西部戦線異常なし」のラッセル・グリースン、アラン・モーブレイ、ルシル・グリーソン等。カメラは「仮の塒」のチャールズ・ステューマーが担任。
ビリイ・ウェルズとジェリイ・ジラードはかねてから恋仲であったが、ビリイが安月給取りで貧しい生活をしているのでジェリイの親達は二人の結婚に反対した。そして自分本意に考える彼女の親達はジェリイを百万長者のマーク・チャンドラーと結婚させようとした。チャンドラーの機嫌を損ねないため、彼に対しては親達はビリイを妹娘ベスの男友達として紹介した。チャンドラーには8年も関係を続けてきた女ドロシイがあった。チャンドラーの縁談を耳にしたドロシイはジェリイに自分達の仲を告げようとして訪ねて来たが折悪しくジェリイは不在で妹のベスにその事情を話して立ち去った。胡麻化されているとも知らぬチャンドラーはベスとその男友達ビリイとの間が冷たいと看て取ったので、彼らの仲を暖めてやろうと親切心を出し、わざわざ晩餐会をひらく支度までしたが、ビリイの切ない心を充分察しているジェリイはビリイの会社を訪れ、彼に出席しないように懇願した。愛人達はある中国料理店の一室で恵まれぬ自分達の恋を嘆き合った。ビリイはジェリイの苦しい立場と辛い気持ちとがよく判ったようであった。しかし彼は何としても自分の恋が諦め切れなかった。その後チャンドラーの邸で開かれた晩餐会に突然現れたビリイはジェリイと自分が恋仲であることをチャンドラーに告げ、ジェリイの両親達を狼狽させる。ちゃんどらーは始めてビリイとジェリイの仲を知り、彼等が真に愛し合っていることを知った。そして自分がジェリイを妻にすることは結果に於いて二人を傷つけることだと悟った。そこで彼は自分の申出を引込めて彼等が夫婦になれるように取計ってやる。チャンドラーに感謝しながら若い二人が新婚旅行に出て行くのを見た時、さすがにチャンドラーも寂しかった。そして彼もまたその寂しさを紛らわせんがために欧州旅行を思い立った。が、その旅行に出発しようと準備していた時、彼の前に意外な女性が現れた。それはジェリイの妹のベスであった。チャンドラーは自分をかねてから愛していたベスの心を知った。そして新しい愛を彼女に感じたのであった。
Bess_Girard
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