ハロルド・ロイド
The_Boy
喜劇界に於いて人気といい実力といいチャップリン氏の塁を磨さんとするハロルド・ロイド氏が2、3巻物から進んで始めてフィーチュアー物らしい喜劇を製作した第1回の作品である。相手役は例の通り、最近婚約を報じられたミルドレッド・ハリス嬢である。筆者は試写を見たが蓋し大傑作の賛辞をおしまぬ。
何か一仕事したら、娘をやると言われたロイドはある軍艦の水兵となった。あらゆる艱難を巧みに喜劇化した。名も知れぬ或る島に上陸してみると恋しいお嬢さんも其島に来ていた。島の大王がお嬢さんを奪った。ロイドは単身敵城に乗り込んで上を下への大騒動の末、嬢さんを救い浜辺で楽しく婚約を申込もうとする途端に軍艦へ帰る時間が来た。しかしこの大功績にめでて彼女の父親は必ず娘を許すであろう。
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