オバマ元大統領も絶賛!最注目スタジオ「A24」×ブラピ率いる「プランB」タッグ作の日本公開が決定
いま最注目の映画製作スタジオ「A24」と「プランB」が、アカデミー作品賞受賞の『ムーンライト』(16)以来となるタッグを組んだ最新作が、『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』の邦題で10月9日(金)より公開されることが決定。ポスタービジュアルと予告編もあわせて到着した。
2019年のサンダンス映画祭で監督賞と審査員特別賞をW受賞するなど、世界各国の映画祭で高い評価を受け、オバマ前米大統領が選ぶ2019年のベストムービーにも選出された本作。その舞台となるのはゴールデン・ゲート・ブリッジや坂道を走る路面電車、優雅に佇むヴィクトリアン様式の家が並ぶ情緒豊かなサンフランシスコ。歴史あるこの街は急速な発展によって地価が高騰し、富裕層が多く住むようになったことで代々住んでいた者たちは行き場所を失っていた。主人公を実名で演じたジミー・フェイルズもその一人だ。
メガホンをとったジョー・タルボット監督は、幼なじみであるフェイルズが体験してきた物語を、自身初の長編映画として制作。サンフランシスコに住んだ“最初の黒人”だったという祖父が建てた大切な家を取り戻そうと奔走するジミーとそれを支えるモント(ジョナサン・メジャース)の友情を描き、生まれ育った場所が面影も残らないほど変化することで記憶が上書きされ、アイデンティティまで否定されてしまうという、パーソナルでありながらいま世界中で起きつつある問題に切り込んでいく。
予告編では、美しい街並みを捉えた映像、スローモーションを活用したカメラワーク、そして登場人物たちの優しくも力強いセリフが印象的で、長編デビュー作にもかかわらず各国で絶賛されたタルボット監督の作家性が垣間見える。映像は「多くの財産を持たなくとも、心の中に大切な居場所とかけがえのない友がいる。それだけで人生はそう悪くないはずだ」という監督の言葉で締めくくられ、詩的な雰囲気を纏いながらも、胸に強く響くメッセージ性を感じさせる仕上がりだ。
また、ジミーの表情を大きく据えたイラストで制作されたポスタービジュアルには、「何もない。だけど、僕にはこの街がある。」というキャッチコピーも。彼が自分自身の軸として心のなかに持っている想いを強調し、そして観客にとっても、“大切なもの”の存在について考えさせられる、作品への期待が高まるビジュアルとなっている。
文/トライワークス