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中川大志が語る、“完璧主義者”をやめてからの飛躍

インタビュー

中川大志が語る、“完璧主義者”をやめてからの飛躍

「山寺宏一さんは、恩師でもあるし、お父さんみたいな存在」

【写真を見る】ソニックを見ておちゃめな表情をする中川大志
【写真を見る】ソニックを見ておちゃめな表情をする中川大志撮影/山崎伸子

ソニックをねらうドクター・ロボトニックの吹替えを務めた山寺宏一とは、中川が中学生時代に出演していたバラエティ番組「おはスタ」でも共演していて、中川にとっては「恩師でもあるし、お父さんみたいな存在でもある」と言う。

「山寺さんは、僕が中学生の時、2年間がっつりご一緒させていただいたあとも、ずっと僕を見守ってくださった方です。また一緒にお仕事ができることは純粋にうれしかったけど、今回は山寺さんのフィールドなので、緊張感はありました。山寺さんは『絶対、大丈夫だよ』と言ってくれてはいましたが、実際に僕の声を聞いて、どういう感想を持ってくださるのか、すごく近しい存在だからこそ、ドキドキしましたし、怖かったです」。

無事、山寺からお墨付きをもらった中川だが、完成した日本語吹替版を観て、改めて山寺の表現力に圧倒されたそうだ。
「すごく驚きました。僕はアフレコの練習をする際、何度もジム・キャリーの芝居を観てきましたが、山寺さんが吹替えると、また違うキャラクターになるんだとびっくりしたんです。やっぱりすごいなと感じました」。

「正直、自分の顔に対してはなんとも思わない」

山寺宏一とのエピソードも語ってくれた
山寺宏一とのエピソードも語ってくれた撮影/山崎伸子

中川は、自身の枕詞にもなっている“国宝級イケメン”と言われることについて「ありがたいですが、そこに関してあまり自信がないです。僕は正直、自分の顔に対してはなんとも思わないというか、もっと顔がきれいな人たちはいっぱいいると思うので。だから、カッコいい役や、少女漫画に登場するようなイケメン役を演じる時は、精一杯努力をしています」。

朝ドラ「なつぞら」で演じた不器用な演出家、坂場一久役も記憶に新しいが、中川の演技力は、高く評価されてきている。高校卒業後、俳優1本に絞り込み、人気若手スターとして邁進中の中川は、最近、自分自身にある種の“余裕”が出てきたとも実感している。

「いままでは、肩肘を張っていました。自分が思い描いたイメージに演技が行き着かないと納得できなくて…。常に120%を目指していたので、まったく遊びの部分がなかったんです」。

いわゆる完璧主義者だったことは、自他ともに認めるところだそう。「僕はこれまで、自分が望んでいた地点に到達できなかったことを認めたくないし、そういう作品を残したくないとも思ってきました。いまになって思うと、それは“攻め”のようで、実は“守り”だったのではないかと。つまり完璧にできたと思っても、そこからはみ出る部分がなかったのかなと気づいた感じです」。

中川のアフレコスキルはかねてより絶賛されている
中川のアフレコスキルはかねてより絶賛されている撮影/山崎伸子

そう語る中川の表情が清々しい。「もちろん、適当にやるとか、力を抜くわけではなく、一生懸命にやることが前提ですが、そのなかで自分がどんな顔をしていようが、どうなっていようが、ぶっちゃけなんでもいいなと思うようになりました。自分が思い描いていたとおりにならなかったとしても、準備していたものと結果的に違うものになることのほうが多いし、そのほうがおもしろいものができるので。そう開き直ったほうが楽しいから、以前よりはリラックスしてやっています」。

6月14日で22歳になった中川だが、コメントも頼もしいし、伸びしろは無限大だ。本作では、声優、中川大志の凄みをぜひ実感してほしい。また、ソニックが魅せるアクションは、大スクリーンで観てこそ、その真価を体感できるはず。

取材・文/山崎伸子

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