限定特典付きのDVDも発売中!『ファンシー』から見える友情✕エロス✕バイオレンスのトライアングル
『レッド』などの人気漫画家、山本直樹が20年以上前に発表した同名短編を映画化した『ファンシー』。市川準らの助監督を務め、さまざまな映画のメイキングを撮影してきた廣田正興が長編監督デビューを果たした。永瀬正敏と窪田正孝、さらに窪田と『初恋』でもコンビを組んだ小西桜子の共演で、現実とファンタジーの狭間を漂う男女の三角関係をつづる。セルDVDはメイキングなどの映像特典に加え、バップ通販限定でアイマスクが付く。
無器用な男同士の友情や裏社会のバイオレンス、心の渇きを潤すため男女が求め合うエロス。これらを織り交ぜた『ファンシー』の世界観にじっくりと浸ろう。
生きづらさを感じる鷹巣と詩人のベタつかない友情
無口で他人を近づけようとしない鷹巣(永瀬正敏)と、暑い日中は家から出られず、物理的に他人と接触できない詩人(窪田正孝)は、社会性が欠落した者同士であり、アーティストという共通項がある。鷹巣がうまく表現できない思いを詩人が言葉にし、詩人ができないことを鷹巣が代行するなど、互いを補完する関係がユニークだ。
裏社会で繰り広げられるハードなバイオレンス
郵便配達人の鷹巣に彫師の設定を加えた本作は、裏社会の騒動もオリジナルで描かれる。ヤクザの大親分を殺して街に流れ着き、鷹巣の客となっていたチンピラを巡り、血なまぐさい事件が発生。ヤクザたちによる容赦ない粛清シーンが刺激的だ。
“温もり”を求める人々のエロスを大胆に表現
性的に不能なため女性を抱くことができない詩人。そんな詩人を心から愛するものの、肉体の欲求を持て余していた“月夜の星”(小西桜子)は、その渇きを潤すため、鷹巣を求めるように。小西が一糸まとわぬ姿で挑む大胆なラブ・シーンは、人間の抑えられないリアルな衝動を描き出す。
特典はメイキングのほか通販限定のアイマスクも
映像特典には、メイキング、舞台挨拶映像を収録し、ポストカードセット(3枚)を封入。メイキングでは、「監督デビュー作は『ファンシー』で果たしたい。映画化する際には、是非出演してほしい」と10年以上前に監督から頼まれていた永瀬が「約束を果たせてホッとしている」と明かす。原作の詩人=ペンギンをモチーフにしたキュートなアイマスクはバップ通販限定の特典だ。
文/サードアイ