三吉彩花、阿部純子が「愛おしい」。共演作『Daughters』がくれた“これからを生きる力”
三吉彩花と阿部純子が、突然の妊娠によって揺れ動く女性たちの姿を描いた映画『Daughters』(9月18日公開)で共演を果たした。阿部が「三吉ちゃんといる空間がすごく居心地が良い」と明かすと、三吉も「純ちゃんがいると、安心感をもらえた」と微笑むなど、劇中で演じた“親友同士”というキャラクターと溶け合うような相性の良さを見せる。女性の転機を演じ切り、「これから人生を歩むうえでの力ももらった」と同調する2人に、共演の感想や、岐路に立った時に大事している考え方などを語り合ってもらった。
本作の主人公は、東京の中目黒でルームシェア生活を送る27歳の小春(三吉)と彩乃(阿部)。仕事や自由を謳歌した生活を送っていた2人だが、彩乃が妊娠し、シングルマザーになると決断したことをきっかけに、彼女たちの関係に変化が起きていく。監督、脚本を長編映画初挑戦となる津田肇が務めた。
「彩乃役が純ちゃんで本当によかった」(三吉)
共同生活を送る友人同士という役どころだが、阿部は「最初から、三吉ちゃんといる空間がすごく居心地が良かった」とニッコリ。三吉も「打ち解けるのがすごく早かった」と話す。さらに一緒の時間を過ごすことで、小春と彩乃の距離感を作り上げたという。
阿部は「撮影前には、三吉ちゃんが『一緒に過ごしてみよう』と提案してくれて。一緒に表参道から渋谷まで歩いたり、『お腹が空いたね』という話になれば、ご飯屋さんに入ったり。特に『これをしよう』と決めて行動したわけではないので、そういった感覚も小春と彩乃の関係に近かったのかもしれません」と述懐。「そのおかげでスッと役に入ることができた。悩む瞬間もありましたが、そういう時は三吉ちゃんに相談して、お互いに意見交換をして。とても頼りがいのある方なんです」と三吉に信頼を寄せる。
三吉も「小春と彩乃を演じていく空気感が、すぐに出来上がった。そばに純ちゃんがいると、とても安心感があったんです。彩乃役が純ちゃんで本当によかった」としみじみ。「彩乃は女性としての成長や、変化していくことの不安などを抱えた女性。小春は、親友として彩乃をどのように支えていこうかと考えていきます。現場では純ちゃんが緊張感を持って彩乃役に向き合っていることがわかったので、私自身も純ちゃんを支えられたらいいなと思っていました」と語る。
「印象深いのは、小春と彩乃がケンカをするシーン」(阿部)
『ダンスウィズミー』(19)や『犬鳴村』(20)など話題作への出演が続く三吉と、『孤狼の血』(18)、『ソローキンの見た桜』(19)などで確かな存在感を発揮している阿部。女優として目覚ましい活躍を見せている2人だが、本作の共演で大いに刺激を受け合ったという。
阿部は「三吉ちゃんは役とのシンクロ率がとても高い方」と語る。「印象深いのは、小春と彩乃がケンカをするシーンです。普段は三吉ちゃんから怒られることなんてないですけれど(笑)、あのシーンでは小春が怒れば怒るほど、彩乃としてはどんどん悲しくなっていって。完全に三吉ちゃんが小春と同化していたので、私も彩乃としての感情がどんどん湧いてきたんです。三吉ちゃん自身も嘘のない言葉で思ったことを伝えてくれる方なので、その一方でとても繊細な部分があるんじゃないかな…と私は思っていて。そんな三吉ちゃんの真っ直ぐさと繊細さが感じられたシーンでもあったと思います」。
三吉は「いつもの私は、その日の撮影が終わると“自分は自分”、“役は役”とオンオフがはっきりしている方なんですが、本作においては、ずっと小春と一緒にいるような感覚がしていた」そうだが、「それはきっと、撮影が進むごとに純ちゃんもどんどん彩乃になっていくのを感じていたから」とお互い高め合うように、役と同化していったという。純ちゃんはものすごく真っ直ぐに役に向き合っていく方。見ているこちらとしては、なんだかずっしりしたものを感じるというか。自分もその真っ直ぐさにきちんと応えなければいけないと思っていました。そして純ちゃんは、シーンごとにまとっている空気までガラッと変えられるような女優さん。監督やスタッフさんとも、純ちゃんのお芝居を見て『いまのシーン、息を止めて見ちゃったね』と話すこともありました。その隣でお芝居をできたことは、私にとってもうれしい経験になりました」。
インタビュー中も笑顔を見合わせたり、「そうだね」とうなずき合ったりするなど、なんとも穏やかな空気が2人の間に流れる。撮影が終わり「さみしい気持ちもあった」と声を揃えるが、役柄から離れて“三吉彩花と阿部純子”として会うと、改めて発見する魅力もあったそう。
阿部は「三吉ちゃんって、話す言葉のチョイスがとても魅力的なんです。私が今後の仕事や将来のことについて相談しても、決して押し付けるのではなく、『私はこう思うよ』ということをきちんと伝えてくれる。相手とのコミュニケーションをとても大切にしてくれる方で、本当に頼りがいがある。でもその一方で、音楽がかかると踊りだしてしまうような一面もあるんです。かわいらしいなと思って、目が離せない!」とニッコリ。
三吉は「あはは!落ち着きがないところがあるかも。音楽がかかると乗っちゃう」と笑い、「純ちゃんは久しぶりに会うと、以前、一緒に行った展示会で買った服とか、私がコーディネートした服を着てきてくれるんです。そういうところが、すごくかわいいなと思って。あと今日、発覚したんですが、純ちゃんは緊張をすると襟元を触る(笑)。ずっと今日も触っている。緊張しているんだな、ここを触ると落ち着くのかなと思うと、なんだかそういうところも愛おしくて」と目尻を下げる。
HM:牧野裕大
ST:藤本大輔
▪︎阿部純子
HM:DAISHI
ST:小林洋治郎(Yolken)
▪︎衣装(三吉彩花)
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