バキバキの肉体美を披露!アクションも演技も巧みにこなす横浜流星の魅力
演技力や整ったルックスはもちろんのこと、ハードなアクションをこなせる俳優としても重宝され、映画やドラマに主演クラスでの出演が続いている横浜流星。飛ぶ鳥を落とす勢いである彼が、その持ち味を存分に見せつけているのが、吉高由里子とW主演を務めている『きみの瞳(め)が問いかけている』(公開中)だ。
2011年の韓国映画『ただ君だけ』を原案とする本作は、不慮の事故によって視力と家族を失った女性と、過去に過ちを犯しキックボクサーとしての道を絶たれた男性、そんな人生の中で大事なものを失くした男女の恋模様を描くラブストーリー。その日暮しの生活を送る元キックボクサーの塁(横浜)は、新たに駐車場の管理人の仕事に就き、その勤務初日、前任のおじいさんの知り合いだったという明香里(吉高)と出会う。目が不自由だが、明るく前向きに生きる彼女に惹かれていく塁。一方の明香里も、口数は少ないがやさしい彼に心を許していく。互いに心を通じ合わせ、ささやかながらもかけがえのない幸せを手にしたかと思ったある日、塁は明香里の口から視力を失った原因を聞き、彼だけが知る残酷な運命を突き付けられてしまう。
横浜は、罪を背負って生き、どこか影のある塁を、俯きがちな姿勢や力ない眼差し、ポツリとつぶやくようなセリフの言い回しなどで表現。また、明香里と出会ったことでしだいに心に光が差して込んでいく様子を、控えめな微笑みと柔らかな表情で丁寧に作り上げている。さらに、とある決心をする際には力強い顔つきを見せ、心情の変化を自在に演じる姿には役者としての高い実力をうかがい知ることができる。
そんな彼の特性が最も生かされているのがアクションシーンだ。空手の経験者で、世界大会での優勝経験もある運動神経は伊達ではなく、これまでも特撮ドラマ「烈車戦隊トッキュウジャー」をはじめ、ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」などで華麗なアクションを披露してきた。
代役を立てずに挑んだという本作では、撮影前に約1か月におよぶトレーニングを敢行し、一からキックボクシングのパンチ、蹴りの打ち方を学ぶと同時に10kgの増量を行っている。そんな努力の甲斐もあり、試合シーンではバッキバキに鍛え上げられた肉体を惜しげもなく見せつけ、打点の高いハイキックを繰りだすなど、躍動感のある動きで観る者を魅了。キックボクサーという役柄にリアリティを与えている。
”静”と”動”を使い分け、芝居でもアクションでも独自の魅力を存分に振りまいている横浜流星。その真実味のある演技によって生みだされる深い感動を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/トライワークス