北村匠海、『とんかつDJアゲ太郎』初日に瞳潤ませ「僕はかわいそうなヤツではない。幸せ者」
同名漫画を北村匠海主演で映画化した『とんかつDJアゲ太郎』の初日舞台挨拶が10月30日に丸の内ピカデリーで開催され、北村をはじめ、山本舞香、浅香航大、池間夏海、二宮健監督が登壇。観客を前にした北村が「本当に心の底から、今日ここに立てて、映画が公開されることがうれしい」と瞳を潤ませ、「僕は決してかわいそうなヤツではないし、とても幸せ者だと思っています。人に恵まれて、監督、キャスト、スタッフの皆さんに支られながら、いまここに立てている」と言葉を絞りだした。
渋谷のとんかつ屋の三代目のアゲ太郎が、たまたま訪れたクラブで衝撃受け、DJを目指して奮闘する姿を描く本作。北村がコメディ初挑戦、単独初主演を果たした。
前日29日に出演者の伊藤健太郎がひき逃げなどの疑いで逮捕されたことを受け、舞台挨拶の冒頭に司会から「本日、登壇予定でした伊藤健太郎さんに関しまして、昨日の報道を受け、欠席となりました」と説明があった。
会場を見渡した北村は「こうして皆さんを前に、ステージに立って映画の話ができるのは久しぶり。緊張しています」とコメント。クランクアップからちょうど1年が経ち、「無事に映画が公開できた」と公開の喜びを語りながらも、「正直、この映画をフラットに観てくれる人がどれくらいいるのかと、不安になったり。今日ここに立つことが、少し怖かったり、いろいろな思いでいます」と言葉を詰まらせながら、苦しい胸の内を吐露。
さらに北村は「ワクワクした撮影期間だった。アゲ太郎は、僕一人では演じきることができなかった。全員に支えられて走りきることができました。このステージにいる人、ここに来られなかったけれど、この映画を一緒に作り上げてくれた人たちに支えられて、いまここに立てている。とても心強い」と周囲への感謝を口にし、「これはアゲ太郎が真っ直ぐに突き進んでいく映画。少しでも皆さんの笑顔の一つになれたら」と語りかけ、会場から拍手を浴びていた。
隣で北村の想いを聞いていた山本は、涙をこらえるように天を仰ぎながらも、会場に笑顔で手を振るなど気丈な様子を見せた。山本は「大変そうだった」と振り切った演技にチャレンジした北村をねぎらいつつ、「変顔をして、顔のストレッチをして、顔をほぐしてから、撮影に臨んでいた」と明かす。北村は「その暴露は結構、恥ずかしい」と照れるなど、息ぴったりの様子を見せていた。
取材・文/成田おり枝