全米で“4100倍”稼いだ超低予算ホラーが来年公開
ホームビデオで家の中を撮影したら、そこにいないハズのものが映像の中に…、というリアリティーあふれる映像がとにかく怖いと全米で話題沸騰中のホラー『パラノーマル・アクティビティ』。深夜での限定公開からスタートし、10月23日からの週末興行収入ランキングではついに全米第1位に。また、YouTubeでの予告編再生回数も498万回にも及ぶ。本作がここまで話題になっているのはどうしてだろうか。
まず第一にストーリー。とある家で暮らす若いカップルが家で起きている異変を探ろうとビデオカメラを設置し、驚くべき映像を目にするというものなのだが、主観撮影によるドキュメンタリー・タッチの映像によって、本当にそこで“何か”が起きているような感覚にとらわれ、フィクションだという事を忘れてしまうほど。同じような手法で撮影された作品として、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)や『REC レック』(07)があるが、固定カメラによって、寝ている間に起きている出来事が描かれるというアイデアも特筆すべき点だろう。
次に本作の製作費だが、前述の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』も2万2000ドルという超低予算だったが、本作はなんと1万5000ドル(日本円にすると約138万円)。そんな低予算でありながら、製作費の4100倍に当たる6150万ドルもの興行収入を獲得。大スターが多数出演し、製作費を回収できない作品が多い中、アイデア次第でこれだけ稼げるという実例を示した、よいビジネスモデルとも言えるだろう。
なお、日本での公開は2010年予定で、映画配給会社プレシディオが実は2008年のAFM(世界最大級の映画マーケット。今年は11月4〜11日に開催)にて本作を買い付けていた。「スラムダンス映画祭で話題になってるのを聞いて、実際にAFMで見て、その話題がただの流行でなく、本当にむちゃくちゃ怖いというのを確認し、購入に至ったんです。ですが、実際ここまでの大ヒットになるとは予想していなかったですね」とプレシディオの宣伝担当は語ってくれた。全米公開以前から目を付けていた彼らの目利きに感服しつつ、本作の公開を楽しみに待とうではないか。【トライワークス】