白濱亜嵐&平祐奈、主演作の2年越しでの公開に喜び!「人とのつながりも“10万分の1”くらい大切」
宮坂香帆による累計120万部突破の同名人気漫画を実写映画化した『10万分の1』が公開を迎え、初日となる11月27日に、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて初日舞台挨拶を開催した。ダブル主演を務めた白濱亜嵐(EXILE/GENERATIONS from EXILE TRIBE)と平祐奈、優希美青、白洲迅、奥田瑛二、三木康一郎監督がそろって登壇し、2年前の撮影を経てついに公開を迎えた本作の初日を笑顔で喜んだ。
学校一人気者の桐谷蓮(白濱)と彼に想いを寄せる同じクラスの桜木莉乃(平)。晴れて両想いとなったふたりは幸せな日々を送り始めるが、そんななか莉乃は「10万人に1人の確率でかかる難病」であるALSの宣告を受ける…。
公開初日を迎え、白濱は「撮影をしたのが2年ほど前なので、ついに公開できたなと。こういう状況ですけれど、お客さんの顔を見ながらこうして舞台挨拶ができてうれしいです」と挨拶。平も「2年前に撮影したので公開できるのかなとかいろんな不安や心配もあったんですけど、無事に初日を迎えられて本当にうれしく思います」と笑顔をはじけさせた。
切ない純愛が描かれる本作だが、見終わったばかりの観客を前にして白濱は、「だからこういうちょっと重たい雰囲気なのかな。あれっ、感じてるのは僕だけですか?(笑)」と会場を笑わせ「おもしろかったですかー?」と投げかけると、客席からは大きな拍手がおくられた。
人気コミックの実写化となるが、白濱は「原作の蓮くんを意識しつつ、終始、莉乃のことを大切に想っているキャラクターなので、ずっと優しい表情、温かい目で莉乃のことを見ているというのは意識しました」と撮影を回顧。
いっぽう平は、撮影前にALS患者に会って話を聞いたのだと明かし、「まずALSという病気を知るところから自分も始めて、ひとりでも多くの方にこれを知るきっかけになってほしいとも思っていたので、向き合うことを大切に考えながら過ごしていました」と、撮影中に心がけていたことを語った。
また、莉乃の親友の千紘役を演じた優希は「私は莉乃にとってお姉さん的な存在だったので、いちお姉さん、お母さんとしてやらせていただきました」と振り返ると、平も「普段からすごく仲がいいので親友という役もやりやすかったです」と笑顔。
とても自然体な雰囲気だったという撮影現場だが、白洲も「4人で歯を磨いたり、居心地がいい雰囲気でしたね」とキャスト同士の仲の良さを明かし、莉乃の祖父の春夫役を演じた奥田も白濱たちについて、「それぞれの役になってましたから、そのまま現場に来て、ふざけたりもしないしそのままの状態でいましたから、そういう意味ではこのテーマが持っている理解を自分のものにして参加した優秀な俳優陣。半沢直樹みたいな芝居もないし、自然体でいました(笑)」と、冗談を交えながらも太鼓判を押した。
さらに同役を引き受けた理由について奥田は、「ALS自体を知っていたので、(莉乃が)両親を亡くして孫と二人暮らしというのが、僕も女の子の孫がふたりいるのでオーバーラップしてしまって…。その時すでにぐっときて、これは参加すべきであると」思ったと振り返る。またもうひとつの理由として、「白濱くんと白洲くんは前から知っていたので、彼らかよと。真面目な俺を白濱に見せてやろうという思いもありましたね(笑)」と白濱との本作での共演の経緯を明かし、また以前共にしたお酒の席で「『いい体してるなー!ちょっと見せてみろ!』って言ったら『はい!』って見せてくれて」と隠れたエピソードも告白。次の日、白濱はなにも覚えていなかったといい「楽しく飲める友といいますか、息子のようでもある」と深い愛情を見せると、白濱も「僕自身奥田さんのことが大好きですし、また共演できると聞いて純粋に喜びました」と笑顔で語った。
最後には、白濱が「明日自分や自分の大切な人がなるかもしれないと考えると恐い部分もありますが、蓮と莉乃はふたりで一歩一歩前に進むストーリーに、僕自身も勇気や元気をもらいました。この作品がたくさんの人に広がってほしいと思います」と本作をアピール。
続けて平も、「ALSという難病が10万分の1の確率で起こるというお話ですけど、人と人とのつながりも“10万分の1”くらい大切なものだと最近すごく思っています。私は撮影前にALS患者の武藤将胤さんにお話を伺ったんですが“時間は有限だ”と仰っていて、本当にそうだなと背中を押してもらって撮影に臨めました。この映画が皆さんの記憶、心に残る作品になってくれたらうれしいです」と語り、舞台挨拶を締めくくった。
取材・文/富塚沙羅