佐藤浩市「自分には役者しかない」西島秀俊&中村倫也らの質問攻めに名言連発!
『サイレント・トーキョー』の初日舞台挨拶が12月4日に丸の内TOEIで開催され、佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼、波多野貴文監督が登壇。劇中で事件の容疑者を演じた佐藤を“事情聴取”ならぬ、“質問攻め”することとなり、意外な質問の連続に佐藤がタジタジになりながらも、しっかりと答えて会場を盛り上げた。
「アンフェア」シリーズで知られる作家の秦建日子が、ジョン・レノンの名曲「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆した小説を映画化した本作。クリスマス・イブの東京で発生した未曾有の連続爆破テロ事件と巻き込まれた人々の群像劇を描く。
佐藤は観客の入った会場を見渡し、「この光景が久しぶりなのでバクバクしております」と告白。「明日がどうなるのかという状況下のなかで、ドキドキしていました。いまの世の中、いろいろなことになっていますが、初日を迎えられてよかった」と感無量の面持ちを見せた。
ステージでは、監督、キャスト陣が役者人生40周年を迎えた佐藤を“事情聴取”することに。勝地は「大きな壁にぶつかったことはありますか?またその乗り越え方とは」と質問。佐藤は「壁って、その時の自分はわからない。あとで思い返してみると、『壁だったんだ』っていうもの。でも壁だった時こそ、ちゃんとそういう作品や人に出会っている。救われている」と苦難な時ほど大切な出会いがあったという。勝地が「深い…」と感銘を受けるなか、「もしも役者じゃなかったら?」と聞いたのが井之脇。佐藤は「(始めて)10年くらい経って、役者しかできないなと気づいて怖くなった。役者という生業しか自分にはないと思った」と打ち明けた。
役者業の深い話が続いたが、広瀬は「好きな漫画はなんですか?」とお茶目に問いかけた。佐藤は膝から崩れ落ちつつも、「ジョージ秋山さんの『アシュラ』。カニバリズムを描いている」と返答。広瀬は「読みます!」と声を弾ませ、「私もおすすめいいですか?『渋谷金魚』です。ぜひ!」とプッシュしていた。
中村は「失礼かもしれませんが、思い切って聞かせていただければ」と真面目な顔を見せながら、「ゴルフのアプローチショットの距離感の調節ってどのようにされていますか?」と尋ねて会場も大爆笑。佐藤は「ちょっと待って!役に対するアプローチの話じゃなくて?」と戸惑いながら「どんな球を打ちたいかという、自分の明確なイメージを持って…」と指南する。
「一番、辛かった現場は?」との疑問をぶつけたのが西島。佐藤は「その時はすごく辛くても、終わってしまうと飛んでいってしまう。こんなにしんどいのもう嫌だって思っても、お疲れ様でした!と乾杯をすると、辛さを忘れてしまう。でもなにが辛かったかは、今度ゆっくり話すよ」とヒソヒソ声で約束。真摯な回答の数々で、会場を大いに盛り上げていた。
取材・文/成田 おり枝