藤原竜也&竹内涼真、超過酷な水中アクションも「励まし合って乗り越えた!」『太陽は動かない』撮影現場に潜入
実は水が苦手だという藤原は、役者魂で過酷なシーンを乗り切った。この日の感想について、藤原は「久しぶりにキツいという言葉も発せられない状況での撮影でした」とコメント。「船のなかのセットでしたが、火花も散って、水の流れも速くて、冷たくて、足もつかない。水に潜りながらも、田岡の腕に巻かれた鎖をほどかなければいけない。ハンマーや斧を探しては、“これじゃないあれじゃない”とやるわけですが、久々に堪えました」と苦笑いを浮かべつつ、「堪えましたが、終わった後の達成感や爽快感はありましたね」と充実感もたっぷり。
「ワンカット撮り終わるごとに、『いままでの仕事のなかで、何番目に入るくらい辛い?』と竹内くんに聞いていました。それぐらい辛かったんだと思います」という藤原だが、竹内は「精神的にも体力的にもキツかったので、竜也さんと励まし合いながらやっていました」と切磋琢磨したことを告白。「滝のような水が落ちてくるなかで、撮影スタッフさんの技術に惚れ惚れしながらやっていました。撮影中は鎖で腕をしばられていたのですが、スタッフさんがしっかり勉強されたのか、本当に取れなくて。身動きの取れない状態で、上から水が落ちてくるって、結構パニックになるなと思いました」と率直な想いを打ち明けていた。
「田岡と鷹野の姿に、熱いものが込み上げた」(羽住監督)
またこの日は、原作者の吉田も撮影現場を見学。過酷なシーンに挑んでいる藤原と竹内の肩を叩いて激励し、3人で会話を弾ませていた。藤原によると、「吉田先生は『すごい撮影をしていますね』とおっしゃっていました。吉田先生の原作スケールに合うセットでシーンを再現していて、非常に興奮されていたように見えました。喜んでくださっていたと思います」とのこと。吉田からの言葉は、なによりの励みになったことだろう。
「全編、吹替えなしでアクションシーンを撮りたいので身体を鍛えてくれ」とオーダーしたという羽住監督は、「クランクインまでに、見事に身体を作り上げてきてくれました」と藤原と竹内の意気込みに感謝。
水中アクションシーンでは、「原作を読んだ時に、普段は後輩の田岡に対してクールに接している鷹野ですが、実は幼少期に失った弟を田岡に重ね合わせているのではないかという印象を持っていました。撮影中、足もつかなくなるほど水位が上がってきたなかで、田岡を抱きしめながら助け出そうとする鷹野の姿を見た時には、思わず熱いものが込み上げてきてしまいました」と涙が出てきたという。
先日行われたイベントで、藤原は「一人だったら乗り越えられていないんじゃないかな?年齢関係なく、2人だったからできたと思う」と語っていた。藤原竜也と竹内涼真が、全身全霊を注いで完成させた最強タッグ。スクリーンにお目見えする日が、いまから楽しみだ。
取材・文/成田 おり枝