同じ大統領夫人でも…メラニア夫人は雑誌の表紙ゼロ、ミシェル・オバマは12回の格差

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同じ大統領夫人でも…メラニア夫人は雑誌の表紙ゼロ、ミシェル・オバマは12回の格差

次期大統領の座を譲り渡すことになったトランプ米大統領が、クリスマスにメラニア夫人を無視したファッション界に反撃した。

12月23日にフロリダの別宅に出発した夫妻だが、その際のメラニア夫人の装いは、ラウンドネックのセーターにダブルのアズディン・アライアの6610ドル(約68万4000円)のコート、クリスチャン・ルブタンの2195ドル(約22万7000円)のニーハイブーツを履き、バレンシアガのものと思われるサングラスとオールブラックだった。

「Breitbart News」が公式Twitterで、「ファッション界のエリート気取りが、(トランプ大統領の任期中の)4年連続で、アメリカ史上最もエレガントなファーストレディを雑誌の表紙に取り上げなかった」というコメントとともにこの時のメラニア夫人の写真を公開すると、「それはおかしい」という声も多く、トランプ大統領も「メラニアは、歴代で最高だ。フェイクニュース!」とリツイートした。

「Daily Mail」などによると、ミシェル・オバマ元大統領夫人は、8年間のオバマ大統領の任期中に、「Vogue」だけでも3回、計12回メジャー・ファッション誌の表紙を飾っているのに対して、メラニア夫人は皆無だという。

米「Vogue」のアナ・ウィンター編集長は、雑誌に政治的な要素をいち早く取り入れ、ヒラリー・クリントン夫人や、ミシェル・オバマ夫人などのファーストレディを表紙に抜擢したことに加えて、当時上院議員だったカマラ・ハリス次期副大統領など、数々の政治関係者を取り上げている。その理由として、「グローバルな視点から、彼女たちは多くの女性のあるべき姿の象徴であり、インスピレーションを与える存在だと思うから」と、2019年4月のインタビューで答えていた。

これに対しメラニア夫人の広報は、「『Vogue』の表紙を飾るか飾らないかは、トランプ夫人を定義するものではありません。アメリカのファーストレディとして彼女がやるべき仕事は、ただの見せかけの写真撮影と表紙よりもさらに意味のあるものです」「ファッション業界がいかに偏見をもっているかということです。アナが自分に自信のない、心の狭い人間であることを示していると思います」とコメントしたが、結局スルーされたまま、1度も「Vogue」の表紙に抜擢されることはなかった。

メラニア夫人と言えば、メキシコとの国境の壁建設費用を巡り、トランプ大統領がペニャニエト大統領と激しいバトルを繰り広げていたこともあり、2017年にメキシコ版「Vanity Fair」2月号の表紙を飾ることが明らかになると、メキシコで怒りの声があがったことがある。

ただ、メラニア夫人がコールガールをしていたことがあるという噂や、モデル時代にセミヌードで雑誌を飾ったこと、ヌード写真も流出したことがあることから、メジャーな雑誌の表紙に抜擢されなかったのは、必ずしもトランプ大統領の言動だけが原因ではなく、メラニア夫人自身のイメージも要因であることは否めないようだ。

また、ミシェル夫人が何度も表紙に抜擢されたのは、オバマ大統領がアメリカ史上初の黒人大統領だったことに加え、「#MeToo」や「Black Lives Matter」といった大きな時代のうねりのなかでごく自然なことと言えるだろう。

世界中がコロナ禍の混乱に陥っているなか、トランプ大統領が任期を終えた後、分断されたアメリカの行方が注目されている。

NY在住/JUNKO

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