柳楽優弥、モンゴルで本物のオオカミと対峙して「怖かった!」KENTARO監督の柳楽の印象は「70%アニマル」
俳優の柳楽優弥が2月26日に新宿ピカデリーで開催された主演映画『ターコイズの空の下で』の初日舞台挨拶に出席。撮影で本物のオオカミと対峙したことを振り返り、「怖かった」と苦笑いを見せた。
日本、モンゴル、フランス合作映画となる本作。資産家の祖父を持つ青年タケシが、モンゴル人の馬泥棒と共に、終戦後に生き別れとなった祖父の娘を探しにモンゴルを旅するロードムービーだ。舞台挨拶にはKENTARO監督も登壇した。
柳楽にとっては約3週間におよんだモンゴルでのロケで、20 代の終わりに新たな挑戦として臨んだ初の海外合作映画。柳楽は「飛行機で日本からウランバートルまでが、6時間くらい。ウランバートルからゲル生活をする場所まで、9、10時間くらいあった」と撮影地までの長い道のりを述懐。砂漠地帯を車で走るなかでは、「モンゴルの運転手さんが『道に迷っちゃったよ』って。暗くなっちゃうと目印がないので。運転手さんがすねちゃった」と楽しそうに振り返っていた。
劇中ではオオカミと対峙するシーンもあるが、柳楽は「オオカミがすごい細いリードでつながれている。チタン製のリードとかだったので、余裕で切れるなと思って」と苦笑い。KENTARO監督は「(リードが)見えないようにしたかったから」と意図を明かしていたが、柳楽は「怖かった」と素直な胸の内を吐露。「監督は『オオカミは目が悪いから大丈夫だ』って。でも鼻が利くんじゃないかと思って(笑)。オオカミと向き合うことなんてそんなにないこと。ユニークな体験。モンゴルのクルーに心強さがあったから、みんな安心して挑めた。もしなにかあったら『俺たちが守る!』という感じがあった」とスタッフに感謝し、撮影を通して「成長できたという感じがある」と充実の表情を見せていた。
タケシの相棒役を演じたアムラ・バルジンヤムからビデオメッセージが届くひと幕もあり、柳楽によると「モンゴルの大スター。アムラがいれば、みんなロケ現場も貸してくれた」のだそう。KENTARO監督は「この人(柳楽)もアニマルですが、アムラと彼は全然違うタイプのアニマル」と柳楽を見つめながら、二人に共通する野生味について吐露。「野獣的なものが入っている。70パーセントくらいアニマル」と柳楽の印象を明かすと、柳楽は「80パーくらいかと思った」とお茶目に笑い、「こういう時期で、映画館にも簡単に行けなかったり、ナーバスになってしまう時など、アムラのような男気のある人を見ていると自然と力をもらえる。(届いた)コメントを見ていても、尊敬できる」とたくさんの刺激を受けたと話していた。
取材・文/成田おり枝