中川大志、石井杏奈や北村匠海との共演に感慨『砕け散るところを⾒せてあげる』舞台挨拶
⽵宮ゆゆこの同名⼩説を映画化した『砕け散るところを⾒せてあげる』(4⽉9⽇公開)の完成報告舞台挨拶が、丸の内ピカデリーで開催され、中川⼤志、⽯井杏奈 井之脇海、松井愛莉、北村匠海、⽮⽥亜希⼦、原⽥知世、堤真⼀、SABU監督が登壇。中川は20歳の時に撮影した本作について「本当に自分にとって大切な作品ですし、成長させてもらった作品です」と熱い想いを語った。
正義感の強い高校3年生、濱田清澄(中川)が、“学年一の嫌われ者”といわれる1年生の蔵本玻璃(石井)がいじめられているところを目撃し助ける。この出来事をきっかけに、2人はしだいに距離を縮めていくが、玻璃は誰にも言えない秘密を抱えていた。
中川はW主演を務めた石井について「玻璃という女の子はつらいし、難しいし、大変だなと思っていたんですが、杏奈ちゃんとは(共演が)3回目で、中学生くらいのころから一緒にお仕事をしているので、楽しみにしてました。初日に初めて玻璃の姿を見た時は、ズーンと自分にくるものがあって、杏奈ちゃんのこの作品への覚悟を感じました」とコメント。
石井は「大変だったとは思いますが、やっていた当時は楽しくて。でも、私自身は大志くんに救われるところがあったので、大変ささえも青春だったなと思えた日々でした。人間味あふれる玻璃がすごく好きで応援したいし、共感し、本当に闘いながら毎日過ごしていました」と撮影を振り返った。
中川と同じ事務所で、子役時代を共にした北村は「僕はクランクアップの日、1日の撮影でしたが、2人が作り上げてきた現場の空気がすごく良くて。僕は溶け込むように演じられました」と語り、完成した映画については「3回くらい観ました。すごくいい作品でした」と感激したとか。
それを受け、中川は「うれしいです」と笑みを浮かべ「匠海とは小学校の時から一緒にレッスンを受けてきた仲ですが、ちゃんと一緒になることがなかったので、自分がこうやって主演をやらせていただく作品に、匠海が出てくれたのがうれしかったです」と喜びを口にした。北村はそのあとも「僕はこの映画を観て、同世代として、2人を誇りに思いました」と心から中川と石井の熱演に賛辞を送った。
また、SABU監督とは、彼の監督デビュー作『弾丸ランナー』(96)から何本も組んできた堤は「客として観て、本当におもしろい映画でした。監督、腕を上げたなと」と絶賛したが、他のキャスト陣もそれぞれに中川や石井の演技を称え、作品の仕上がりにも手応えを感じている様子だった。SABU監督も「とにかく出演者がすばらしい。季節もキャストの年齢も含め、当時の清澄と玻璃の美しさは、あのタイミングでしか出せなかった気がします」と胸を張った。
最後に石井が「この作品が終わったあと、抜け殻のような状態になりました。それほど全力を尽くした作品になったんだなと。玻璃として生きた証をぜひ映画館で観てほしいです」と言うと、中川も「20歳になったばかりの時に撮ったのですが、10代の時の気持ちや大人と子どもの間の瞬間にしかできなかったことを、SABU監督にいっぱい切り取っていただけたんじゃないかと」と力強く締めくくった。
取材・文/山崎伸子