橋本環奈、卒業!「濃厚な3年間だった」高校生活&将来を市井昌秀監督と語る
橋本環奈がこの3月で高校を卒業する。3月4日(土)公開の映画『ハルチカ』は、橋本がリアル高校生として、等身大の役柄を演じた最後の作品となる。橋本と市井昌秀監督にインタビューし、橋本環奈の高校生活。そしてこれからの未来について、語り合ってもらった。
原作はシリーズ累計60万部を突破した初野晴の代表作、人気青春ノベル「ハルチカ」シリーズ。廃部寸前の吹奏楽部の復活を目指すチカ(橋本)とその幼なじみのハルタ(佐藤勝利)の奮闘や、ハルタとチカに訪れる淡い恋の気配を描く。
吹奏楽部のメンバーと絆を深めていく姿も見どころの本作。自由奔放な女の子・チカを演じた橋本は、「同世代の方と一緒にお仕事をすることが、これまであまりなかったんです。とても新鮮でした」と述懐。「この春で高校を卒業するので、リアルな高校生として演じられたのは『ハルチカ』が最後。だからこそ、同世代の方と一緒にお互いに刺激ある毎日を過ごせてとてもよかった。みんな楽器の練習もしなければいけなかったんですが、同じ目標に向かっていることもあって団結力も高まりました。みんなと生活していくなかで出来上がった関係性が、映画にも映し出されていると思います」。
市井監督は、等身大の彼らを描くことにこだわった。「キャストには、『あくまで等身大で、背伸びをしないように』と言っていました。ちゃんと生きている等身大の高校生でいてほしかったんです。なので、映画には全体を通して生々しさがあると思っています」。すると橋本も「本当に学校生活を送っているようだった」と撮影を思い出してにっこり。「個性があるメンバーばかり。みんな役にぴったりでした。お互いに役名で呼び合ったりして、本当に役として生きた撮影期間だったと感じています」。
青春のきらめきや葛藤がギュッと詰まったような映画だ。市井監督は「高校3年間って、今僕が生きている時間より濃厚なもので。ものすごくかけがえのない時間だと思うんです」と青春期への思いを吐露するが、橋本にとって、自身の高校生活はどんなものだったろうか?
「本当に濃厚な3年間でした。お仕事が忙しかったりして、学校に行ける時間も限られていたんですが、本当にいい友達に巡り会えたんです。すごく支えてくれて、それが私の原動力にもなりました。授業の帰りに寄り道をしたり、何もなくただ2時間も話したりとか、そういった何気ない時間が一番大事だと気づかせてくれました。テキパキと毎日お仕事をするだけではなく、そういった学校生活を味わえてすごくよかったなと思っています」。
高校卒業を迎え、いよいよ社会人となる。橋本は「お仕事をたくさんしたいと思っています。今は福岡に住んでいるので、上京することも考えています。気持ち的にも変わるでしょうね!学生と社会人というのは違うし、ひとつひとつの言動、行動に自覚を持ちたいと思っています。それに何より、これからどんな風になっていくのか楽しみです」と未来を見つめて、声を弾ませる。
元気いっぱいのイメージのある橋本。劇中ではそんな一面とともに、チカが挫折し、弱い部分をさらけ出す一幕もある。市井監督は「負けず嫌いなチカと環奈ちゃんにはすごくリンクする部分があると思う。でもチカは、鉄のツノのような女の子で。折れる時は一気に折れてしまう。そういった弱さや負の部分というものを環奈ちゃんから引き出せたのは、とてもよかったと思います。僕自身、新しい環奈ちゃんを見れた気がしています」と橋本の新境地について言及。
さらに「僕は人間の痛い部分や弱いところ、汚いところもちゃんと見せていきたいと思っているんです。環奈ちゃんにはそういうところも無防備にさらけ出せる女優さんになってほしいと思っています」と橋本の女優としての活躍に期待を寄せる。橋本は「そういう女優さんになれたらいいな。頑張ります!」と瞳をキラキラと輝かせていた。【取材・文/成田おり枝】