映画業界も騒然!病みつき必至の「山田孝之のカンヌ映画祭」
現在、テレビ東京系列で放送中の「山田孝之のカンヌ映画祭」。このドキュメンタリー風ドラマ、映画業界でも何かと話題で、一部で騒然となっていることをご存じだろうか?
カンヌ映画祭――。それはベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭と共に世界三大映画祭と呼ばれる世界最高峰の映画賞だ。映画人としてのステータスを上げる賞であることは間違いないが、さすがにそう簡単に獲ることなどできない。だが、そんな“不可能”ともいえる現実に山田孝之が果敢にも挑戦した…!
カンヌ映画祭で最高賞にあたるパルムドールを獲るために、山田が映画監督の山下敦弘と共に作品作りに挑む姿を描く本作。昨夏、いきなり山田に呼び出された山下は「カンヌ映画祭で賞を獲りたい」と打ち明けられる。山田はカンヌ以外にはまったく興味がなく、しかも、他の映画祭はクソミソにこき下ろす始末…。そんな彼のある種、筋が通ったこだわりに、山下監督は戸惑いつつも、二人三脚での映画製作をスタートさせる…という展開だ。
主人公の猟奇殺人鬼役に芦田愛菜を抜擢したり、東宝の大物プロデューサーにいきなり1億円の製作資金を求めたりと、山田から飛び出すのは奇想天外な発想と行動の連続だ。しかし、そうやって強引に山下を振り回していく山田の姿からは、「マ、マジなの?」と、見る者が戸惑うほどのカンヌへの“本気度”がうかがえる。
本作がユニークなのは、カンヌ映画祭とは何なのかを学ぶところから始めるなど、単なる映画マニアへ向けた作品ではないということ。その上で、『殯の森』(07)でグランプリを受賞し、カンヌと関係が深い河瀬直美監督に賞を獲るためのコツを聞いたりしながら、映画製作を進めていく過程が絶妙に面白い。
本作がどこまで本気なのかは回を進めて見ていてもわからない。だが、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターから、著名映画評論家、映画会社のプロデューサー、海外の映画祭関係者といった、超大物からコアな映画人まで各分野の著名人が次々と出演しているのを見ていると、はったりやジョークでは済まされない“リアル”さが透けて見えてくるのだ。
ひと夏の間に映画は結局完成したのか?そして、カンヌ映画祭への道は開けたのか?クライマックスにさしかかる第9話が本日3月3日に放送されるが、視聴者の想像を超えるような衝撃の展開に期待したい!【トライワークス】