オスカー女優は化石採集に夢中?『アンモナイトの目覚め』ケイト・ウィンスレットが明かした貴重な体験

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オスカー女優は化石採集に夢中?『アンモナイトの目覚め』ケイト・ウィンスレットが明かした貴重な体験

アカデミー賞女優のケイト・ウィンスレットと『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(20)のシアーシャ・ローナンが初共演した『アンモナイトの目覚め』(4月9日公開)。実在の古生物学者を演じたウィンスレットが本作での役作りについて語っている。

【写真を見る】リアルさを求める監督に応え、化石採集技術を習得したウィンスレット
【写真を見る】リアルさを求める監督に応え、化石採集技術を習得したウィンスレット[c]The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019

1840年代のイギリス南西部の海沿いの町を舞台に、世間に忘れられながらも自分を貫いた古生物学者メアリー(ウィンスレット)と化石収集家の妻シャーロット(ローナン)が惹かれ合う姿を描いたラブストーリーの本作。監督は、長編デビュー作『ゴッズ・オウン・カントリー』(17)での繊細な手腕が高く評価されたフランシス・リーが務めている。

キャストが初めから劇中のキャラクターとして生まれてきたかのようなリアルさを追求するため、制作過程にかける時間を重要視しているというリー監督。本作でも撮影前に3か月のリハーサル期間が設けられ、ウィンスレットは映画の舞台となるライム・レジスで化石専門家のもとで何週間も化石発掘作業の工程を覚え、自然に動けるように徹底的にたたき込まれていった。

世間から離れて暮らすメアリーは土産物用のアンモナイトを発掘して生計を立てていた
世間から離れて暮らすメアリーは土産物用のアンモナイトを発掘して生計を立てていた[c]The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019

その体験について彼女は「この映画の役作りはとても楽しかったです。役を演じる時、いつもなにかしら新しい技術や技を学ぶものですが、まさか化石採集を学ぶ日がくるなんて!いま、ライム・レジスに行くことがあればなんだって説明できるんじゃないかしら。化石採集を学ぶ時間は私にとってとても重要でした。メアリーは幼少時代から化石採集をしていたから、私は作業工程を骨身に染み込ませなければならなかったし。ライム・レジスの博物館を訪れて、彼女に関する資料やメアリー自筆の文を見ることができたのも貴重な体験でした」と振り返っている。

さらに化石採集以外にも、リー監督から重要な指導があったという。「メアリーを演じるうえで、私にとって一番難しかったのは静けさ。メアリーは冷静沈着ですが、私は声も大きいし、活発で動き回るのが好きなタイプ。だからフランシスは私を身体から変身させました。体の動かし方、放つエネルギーのレベル、視線、動作、各シーンのリズムなどすべてを的確に把握し、私を静めてくれました。とても素晴らしい体験でした」と明かしている。

また、メアリーの故郷であるライム・レジスで撮影したこともリアルな演技を引き出す要因に。ウィンスレットは「地元の人たちはメアリーのことを、自分たちの大切な遺産だと考えていて、誰もが彼女にまつわる話を知っています。そういった逸話を実際に聞けたのも良い体験でした。ある日、5、6才くらいの子どもたちが町で衣装を着た私を見て『あなたは、メアリー・アニング?』と聞いてきました。こんなに愛らしい瞬間はほかにないですよ!とにかくかわいかったです。ほかの土地で撮影していたら、こんな体験はできなかったでしょう」と地元の人々との交流で、よりメアリーの役が身についていったと語っている。

身体の動き方から変えるなど細部にこだわった演技を見せるウィンスレット
身体の動き方から変えるなど細部にこだわった演技を見せるウィンスレット[c]The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019

ウィンスレットの出演を熱望したリー監督は彼女の仕事ぶりを、「ケイトのリサーチ能力は素晴らしい。彼女は本気で役柄にのめり込む俳優で、メアリーに関する本をすべて読破し、多くの優れたアイディアも持っていました。役に成りきるためにライム・レジスで化石採集のコツを完全に学んでいたけど、心から気に入っていたみたいです。全身で役柄に打ち込む素晴らしい俳優です」と絶賛している。


入念な役作りの結果、化石発掘のために崖をよじ登るような体力的に大変なシーンから細やかな手作業のシーンまで、ボディダブルやハンドダブルは使わずにすべて自ら演じたウィンスレット。そんな彼女の熱演から生まれたリアルさのあるドラマに期待したい。

文/サンクレイオ翼

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