台湾発のゲームを映画化!『返校』不穏な空気漂うポスタービジュアル解禁
7月より日本でも公開される台湾映画『返校』(19)の邦題が『返校 言葉が消えた日』に決定。あわせて、同作のポスタービジュアルが解禁となった。
本作は、2017年に発売された同名ホラーゲームを映画化した、『悲情城市』(89)『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(91)に続く台湾白色テロ時代を題材としたダークミステリー。10万人が投獄、3千人が処刑されたと言われる過去の弾圧の歴史を、ジョン・スー監督が正面から描き、第56回金馬奨で主要12部門にノミネートされ、最優秀新人監督賞を含む最多5部門を受賞。深いメッセージ性が台湾の多くの人々の心に響き19年に台湾で大ヒットを記録、昨年の台湾総統選挙にも影響を及ぼしたと言われるほどの社会現象を巻き起こした。
舞台は1962年の台湾、国民党の独裁政権下で市民に相互監視と密告が強制されていた時代。女子高生のファン・レイシン(ワン・ジン)が放課後、教室で目を覚ますと、学校には誰もいなくなっていた。一人さまようファンが出会ったのは、政府から禁じられた本を読む読書会メンバーで秘かに彼女を慕う男子生徒ウェイ・ジョンティン(ツォン・ジンファ)。2人は協力し学校からの脱出を目指すが…。
今回、披露されたポスタービジュアルでは、主人公のファンを中心にウェイ、男性教師のチャン(フー・モンボー)、女性教師インが、学校を背景に佇む姿が切り取られている。また「自由が罪と教えられた時代。あなたなら、どう生きましたか?」というキャッチコピーには、思わず考えさせられるものがある。原作ゲームを制作したレッド・キャンドル・ゲームスのコーヒー・ヤオ取締役も「ジョン・スー監督が描く映画の描写は、まるで魂自体が現れ出すような感じです」と映画についてコメントしている。
悪夢のような恐怖が迫るなか、果たして彼らは学校から脱出することができるのか?そして、校内で起こった迫害事件と、その原因を作った密告者の真相とは?隣国台湾の歴史に触れるという意味でも『返校 言葉が消えた日』は見逃せない映画となりそうだ。
文/鈴木レイヤ