ボブ・オデンカーク主演作が北米初登場首位!海外では『ゴジラvsコング』が大旋風
海外ドラマ「ベター・コール・ソウル」でゴールデン・グローブ賞に4度、エミー賞にも4度ノミネートされたボブ・オデンカークが主演を務める『Mr.ノーバディ』(6月11日日本公開)が、先週末(3月26日から28日)の北米興行収入ランキングで初登場1位を獲得。昨年の夏に公開予定だった同作は、ほかの多くの映画と同様コロナ禍による公開延期を余儀なくされた一本。しかも半年の延期の後、1週間の繰上げと1週間の再延期、さらなる再延期と再度の繰上げと、かなり振り回されてきただけに、無事公開されたことはもちろん上々の興行成績と批評を獲得したことはなによりだ。
全編FPS作品として話題を集めたアクション映画『ハードコア』(15)を手掛けたイリヤ・ナイシュラー監督がメガホンをとり、「ジョン・ウィック」シリーズのデレク・コルスタッドが脚本、デヴィッド・リーチが製作を務めた『Mr.ノーバディ』。仕事でもナメられ、自宅に強盗が押し入ってもなにもできずに家族から見放された平凡な男ハッチが、ある日突然溜め込んでいた鬱憤を爆発させるようにチンピラを撃退。それがきっかけとなり、ロシアンマフィアから命を狙われる羽目になるというアクション映画だ。
初日から3日間の興行成績は、2460館で682万ドル。これは今年公開されたアクション映画のなかでもっとも優秀な成績であり、ニューヨークとロサンゼルスの映画館が再開したことの効果がしっかりと表れているようだ。また、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家の80%、観客の95%から好意的なレビューが寄せられており、4月16日(金)から始まる北米圏でのPVOD配信を前にどこまで興行成績を伸ばすことができるのか注目が集まるところ。
北米ではこの週末、春シーズンで最大の書き入れ時となるイースターの連休を迎える。それに先駆けて3月31日からは『ゴジラvsコング』(5月14日日本公開)がHBO Maxでの配信と同時に劇場公開され、初日だけで960万ドルの興行収入を記録。すでに先週末から公開されている中国などでは爆発的なオープニングを記録しており、世界興収はコロナ禍のハリウッド映画としては最高の1億2310万ドルに到達。北米では週末からコロナ禍以降最大規模となる3000館以上に拡大上映されることとなり、次週の北米興収ランキングはかなりの盛り上がりを見せることだろう。
文/久保田 和馬