田口トモロヲ、松重豊らが映画「バイプレイヤーズ」初日舞台挨拶で大杉漣への想いを語る「おっさんたちのリーダーは漣さん」
人気ドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズ初の映画化作品『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』の初日舞台挨拶が4月9日にTOHOシネマズ日比谷で開催。田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、北香那、松居大悟監督が登壇した。田口は亡き大杉漣に思いを馳せ「おっさんたちのリーダーは大杉漣さんでして。きっと漣さんも喜んでいると思います」と挨拶をした。
松重も「ドラマの最中に突然いなくなってからもう3年経つんですが、まだ信じられなくて。お葬式の時も祭壇の裏から出てくるんじゃないかと思っていたし、今日もスクリーンの裏に待機してて、後ろでおちゃめにいる感じがします。僕らが全面に出てやるのは最後ですが、206のスクリーンで公開されるので、漣さんは206の風にのって、皆さんが喜ぶ姿を見ていると思います」とコメント。
光石は「大杉さんがずっと言っていた映画化が実現して感無量です。後ろに100人の俳優がいますが、みんな大杉さんの遺志を継いでいます。どうか宣伝してやってください」と本作をアピール。
遠藤も「30代のころ、低予算の映画に出た時、公開初日にお客さんがたったの4人でした。バイプレイヤーズたちは、過去になにかしら傷を持ちながら育ってきています。きっと漣さんも傷つきながら生きてきた人なので、いま『バイプレイヤーズ』がこうなったとびっくりしてると思います」と感無量の様子。
今回はスペシャルゲストとして、劇中に登場した犬の風も登場。松居監督によると、大杉漣の愛犬の名前からとったと言う。エンドロールで、大杉漣と愛犬の風が登場するが「厳密に言うと、チワワなんですが、チワワから変わっていくというスタイルです」と言って笑いをとった。
また、最後に松居監督は「最初は漣さんがいないなかで映画を作っていいんだろうかと迷っていたんですが、漣さんの魂だったり、風だったりを存在させることができた気がするから、みんなで初日を迎えられて感慨の気持ちでいっぱいです」と締めくくった。
『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』の舞台は、富士山の麓ののどかな撮影所「バイプレウッド」で、毎日様々なテレビ局の連ドラチームが隣り合わせのスタジオで撮影している。そんななか、濱田岳は100人の役者が出演する自主映画の撮影を進めていくが、やがて役者同士がぶつかりあい、挙句の果てにバイプレウッド全体が嵐に見舞われる。
取材・文/山崎伸子