エリザベス女王、王配愛用のポケットチーフと写真をしのばせ葬儀に参列
現地時間4月17日、ウィンザー城で、9日に亡くなったフィリップ王配の葬儀が営まれた。
英国では、ロックダウンとワクチン接種が功を奏し、1月には7万人近かった新規感染者が、3000人以下に激減。それでも前日から王室サイドはメディアを通じて、「ウィンザー城での葬儀の様子は一切外部から見ることはできません。ぜひ家でテレビを見ながら、フィリップ王配を追悼してください」と伝えていたが、ウィンザー城の外部及び、バッキンガム宮殿には多くの人が詰めかけ、フィリップ王配の死を悼んだ。
コロナ禍で、700人余りの軍関係者と、親族及びフィリップ王配の近しい友人ら30人以外、一般人も排除した葬儀では、車での移動も家族ごとに行われた。エンジのベントレーで、黒マスク姿のエリザベス女王に同乗したのは、60年以上にわたって英王室を支えウィリアム王子のゴッドマザーでもある、ウィンザー城でエリザベス女王に仕えていた腹心のレディ・スーザン。
聖ジョージ礼拝堂までランドローバーで運ばれた、フィリップ王配の棺の後を歩くチャールズ皇太子ら男性陣より一足早く礼拝堂に降り立ったエリザベス女王は、ウィンザー主席司祭に話しかけたり、後ろに続くカミラ夫人やキャサリン妃ら女性陣と、棺が礼拝堂に到着するのをしっかり確認するなど、女王らしさは健在だったが、黒服だったせいもあり、以前にもまして痩せたように見えるうえに背中も丸く、心なしか足取りがおぼつかない様子が見受けられた。
白い縁取りの黒い大きなマスクに帽子、眼鏡姿で1人で席に座っていたエリザベス女王は、葬儀中ほとんど下を向いており表情は見えなかったが、「BBC」などによれば、エリザベス女王のショットを撮影することは意識的に避けていたという。それでも顔を上げた際には涙は見せず、終始泣き顔のチャールズ皇太子とは対照的に、最後まで気丈にふるまい毅然とした態度で責務を全うした。
「Express」などによると、着用していたパールとダイヤがあしらわれたブローチは、エリザベス女王が祖母から引き継いだ形見で、祖父である国王ジョージ5世との結婚祝いに、リッチモンドから贈られたもの。なんとこのブローチだけでなく、パールのイヤリング及び3連のパールのネックレスは、2018年のヘンリー王子とメーガン妃の挙式で身につけていた3点セットだという。
常日頃からエリザベス女王はこよなくパールを愛用しているが、英王室ではパールはおめでたい時だけでなく、涙を象徴する石として、また無彩色のダイヤも喪の際に身につけるドレスコードになっている。
また、御用達の黒いロウナーロンドンのバッグの中には、フィリップ王配が愛用していた白いポケットチーフと、新婚の際にマルタ島で撮影した小さな写真を忍ばせ、王配との最後の別れを惜しんだそうだが、フィリップ王配はヘンリー王子の挙式の際にも白いポケットチーフを使用していたことから、「エリザベス女王は、王配の葬儀でヘンリー王子が帰ってきて葬儀に参列してくれた喜びを王配と分かち合い、また感謝の意を示したのではないか」と指摘する声もある。
レディ・スーザンは、礼拝堂の葬儀には出席していないが、1人で座ることを余儀なくされていたエリザベス女王を気遣って、そばで待機していたと言われている。葬儀を無事に終えてレディ・スーザンの乗るベントレーに乗り込んだエリザベス女王は、大役を終えて安堵した様子がうかがえた一方で、役目を終えた後の喪失感や体調を心配する声も多数寄せられている。
既に公務もこなしているエリザベス女王は今月21日に95歳の誕生日を迎えるが、22日まで喪に服すことになっている。
文/JUNKO