中条あやみ、広瀬すずは「天才肌」仲良しコンビがターニングポイントを明かす
広瀬すずと中条あやみが、映画『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(3月11日公開)で初共演を果たした。ファッション誌「セブンティーン」のモデルとして、旧知の仲である二人。出会って約5年になるそうだが、本作の撮影では「お互いに、今までに見たことのない新しい顔を見た」のだとか。映画の共演を経ての感想。そして成長ストーリーにちなみ、自身が成長できたと感じる“ターニングポイント”までを語り合ってもらった。
本作は、福井県に住むごく普通の女子高生たちが、全米チアダンス選手権大会を制覇するまでを描いた青春サクセスストーリー。2009年に全米チアダンス選手権大会で優勝した福井商業高等学校チアリーダー部“JETS”をモデルとした、実話から生まれた物語だ。広瀬が演じるのは、笑顔が取り柄の天真爛漫な少女・ひかり。中条が、美貌と知性を併せ持った真面目なリーダー・彩乃を演じている。
友情を育む関係性を演じた二人。広瀬は「あやみちゃんは普段は飄々としているんだけれど、ものすごく奥深くまで考えてお芝居を見つけていく人。すごく彩乃と重なりました」と中条と役柄へのハマり度に驚く。「初めて会ってからは5年くらいになるのかな。『セブンティーン』の撮影では、広瀬すずと中条あやみとして話をしているから、女優さんとしてのあやみちゃんに会ったのは初めて」と新鮮な気持ちになったと言う。
中条は「すずもひかりも天才肌。天才気質というところが似ているし、すずは本当にしっかりしているんです」と話す。「すずはプロ意識があって、本当にストイック。自分より年下のすずが映画の主演という大役を務めていて、すごいなと思うんです。でも、すず本人はケロっとしていて、毎日、明るい。今回、それぞれが真剣に作品に向かっているメンバーの姿を見て、いい意味でライバルになれたと思っています。私も置いていかれないよう、しっかりと役や作品に向き合わなければと思いました」と刺激になることも多かった。
広瀬自身は「いつも褒めてくれるんです」と中条の言葉に照れ笑い。「撮影期間は、私のテンションが落ちたら、みんな崩れてしまうという気持ちもありました。現場ではテンションを高く保って、ホテルに帰ったらグダーッとしてましたよ(笑)」というように、18歳にして座長としての責任感もたっぷり。中条も「その姿は一切、現場で見せない。すずの姿からは本当に勉強させてもらった」と感心しきりだ。
チアダンスを通して、メンバーが自身や仲間と向き合い、成長を遂げていく姿を描く本作。「この時、すごく成長できた」と思うターニングポイントはあるかと聞いてみると、広瀬は、李相日監督がメガホンをとった『怒り』(16)での経験をあげた。悲痛な事件に巻き込まれる女子高生という難役に挑んだ広瀬だが、「撮影が終わった時には『自分が変わった』と思えるものがありました。めちゃくちゃ苦しかったし、これから何十年生きたとしてもそれが一番ツライ1か月半だったと言えるくらい、いろいろなものと戦ったと思います」と告白する。
厳しい演出で知られる李監督との時間は特別な時間となった。「私は負けず嫌いなんですが、李監督に『自分とは勝負しないんだ』と言われたのがすごく刺さって。図星だったんだと思います。涙が止まらなかった。それを乗り越えたことで、『自分の足でちゃんと立てた』という感覚を得ることができました。役としてもそうだけれど、自分が人としても強くなれた気がしました」。
中条は、中学時代のバドミントン部での活動が印象深いと話す。「朝練もあるし、女の子同士の揉め事もあったり。雑用係をやらされることもあって、なんのためにやっているんだろうと思うこともありました。でもそんな時、『今やめたら絶対に何も得ることができない』と思ったんです。映画のセリフにもありましたが、やっぱりツライ時も頑張るしかない。引退試合では結局負けてしまいましたが、自分も何かを続けることができるんだ、諦めないことができるんだと思うことができました」。
広瀬はこの春、高校を卒業。そういった意味でも心に残る作品となった。「私にとって、高校生の間に演じられて、高校生の間に公開される最後の作品です。同世代の女の子が世界を舞台にしてこんなにも輝いていることを感じられたことは、とても刺激的でした。私ももっともっと頑張らなくちゃ!と励まされました」。【取材・文/成田おり枝】