屋比久知奈&尾上松也が『モアナと伝説の海』での自身の歌唱シーンを語る!

インタビュー

屋比久知奈&尾上松也が『モアナと伝説の海』での自身の歌唱シーンを語る!

ディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』(3月10日公開)で、日本語吹替版の声優を務めた屋比久知奈と歌舞伎俳優の尾上松也にインタビュー。屋比久はディズニーのヒロイン史上最大級のオーディションで見事にモアナ役を勝ち取ったシンデレラガールだ。ディズニー・アニメーションの大ファンだったという松也もマウイ役が決定した時は歓喜したという。

アフレコでは喜びと不安の両方が大きかったと振り返る屋比久。「実際やってみたらすごく難しかったけど、監督の方々が最初から最後まで丁寧に時間をかけて指導をしてくださったので、私としてはとにかく一生懸命ついていくだけでした。楽しみつつも学びながら収録することができたのかなと。私にとっては活動のスタートとなる作品なので、本当に幸せでしたし、恵まれているとも思いました」。

「そうか!スタートがこの映画なんてとても羨ましい」と興奮気味に語る松也。彼はモアナと交流する伝説の英雄マウイ役に声をあてた。「僕はずいぶん前からディズニー・アニメーションの声優をやりたいと言っていたので、まさに夢が叶ったという感じです。そして初めて屋比久さんの声を聞いた時は鳥肌が立ちました。『ああ、モアナはこれで大丈夫』と思いました」。

屋比久は沖縄育ちで、モアナと同じく小さい頃から海とふれあってきた。「海というものが生活のなかにあることは沖縄にいると特別に意識しなかったのですが、東京へ来てみたら海に対して少し違う感覚をもっているのかなと初めて感じました。私自身、海がすごく大好きで波の音を聞くと落ち着くし、沖縄で育ったことはモアナとの大きな共通点だったので、オーディションの時、そこも何か感じていただけたのかなと後から思ったりはしました」。

松也も意外と海は身近にあったと言う。「実家が鎌倉で、すぐ目の前の海によく行っていたんです。でも僕は全然メラニン色素がなくて、まったく焼けないし、肌が弱くてマウイのようにタトゥーを入れることもできないから残念です。ただ、海自体はすごく大好きですし、海のそばにおじいちゃんやおばあちゃんが住んでいたので、海のにおいをかぐと懐かしい思いがします」。

本作では海が生き生きとしたキャラクターのように描かれている。松也は「ここまでできるようになるとは」と感嘆する。「とてもCGアニメーションとは思えない。海が意思をもっているような感じですね。ディズニーのすごいところは、ああいう言葉を発しないキャラクターが何を言いたいのかがすぐにわかるところかと。目も鼻も口もついてないのに、表現力がすごいです」。

メガヒットした『アナと雪の女王』(13)の「Let It Go ~ありのままで~」に続けとばかりに、屋比久の澄んだ声で歌い上げる「どこまでも ~How Far I'll Go~」は観る者の心に訴えかけるキャッチーで力強いナンバーに仕上がった。

「主題歌にもなっている大切な一曲なので、心を込めて歌いました。モアナの思いがすべて詰まっている曲だから、歌というよりも台詞として言葉が伝わるといいなと思いました。歌詞を英語から日本語に直した時、どうしても情報量が少なくなってしまいますが、そのなかに込められている思いは減らしたくなかったので、丁寧に歌にのせることを意識しました」。

松也は愉快な劇中歌「俺のおかげさ」を担当した。「とにかく楽しい楽曲です。マウイの鼻につくけど憎めないキャラクターがそのまま出ている歌だと思うので、それをストレートに楽しく歌っていきました。本当に楽しみながらできましたので、あまりリテイクもなくすんなりいけました」。

力強く透き通った美声をもつ屋比久は、今後ミュージカルをやっていきたいそう。「ミュージカル出演を目標に東京へ出る決心をしました。舞台に立つためには、まだまだ歌の勉強をしないといけないし、演技もダンスも含めて学ぶことはたくさんあります。いまは『やってやるぞ!』という気持ちでいっぱいです。だから今回、この作品に参加させて頂けたことはすごくうれしかったです」。

松也は、歌舞伎俳優がアニメーション声優を務めることについて「いろいろな分野で活躍することが結果的に歌舞伎にもつながるだろうし、恩返しにもなると思いながらやっているところもあります。歌舞伎を見たことがない方でも、『ちょっと歌舞伎を見てみようかな』と思ってもらえるきっかけが作れたらうれしいです。」【取材・文/山崎伸子】

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