菅野美穂、母親役で10年ぶりの映画主演!「子どもが生まれたんだから、母親、父親になって当然という先入観がある」育児への想いを吐露

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菅野美穂、母親役で10年ぶりの映画主演!「子どもが生まれたんだから、母親、父親になって当然という先入観がある」育児への想いを吐露

菅野美穂が10年ぶりの映画主演を務めた『明日の食卓』(5月28日公開)の完成報告会が5月5日によみうりホールで開催され、菅野をはじめ、高畑充希、尾野真千子、柴崎楓雅、外川燎、阿久津慶人、瀬々敬久監督が登壇。私生活で2児の母でもある菅野が母親役に挑戦し、「運命的なタイミングでの出会い」と吐露。育児の苦労も明かした。

『明日の食卓』の完成報告会が開催された
『明日の食卓』の完成報告会が開催された

椰月美智子の同名小説の映画化で、子を持つ親が直面する問題をリアルに描く本作。菅野はやんちゃ盛りの息子たちを育てながら仕事復帰を目指す母親、留美子役を熱演。シングルマザーで大阪に暮らす加奈役を高畑が、年下の夫と優等生の息子に囲まれ、一見何不自由なく幸せを手に入れているあすみ役を尾野が演じている。

菅野美穂が子育ての苦労を告白!
菅野美穂が子育ての苦労を告白!

『ジーン・ワルツ』(11)以来の映画主演となった菅野は、「10年ぶりと言っていただくと、もうそんなに経ってしまったんだと。10個、歳をとったんだなと」とにっこり。「その間に子どもが生まれて、今回、母親役をいただいた。世の中のお母さんみんな、自分を重ねてしまう役だと思いました」と演じた役柄に母として心を寄せつつ、「(1度目の)緊急事態宣言があったりして、自分にも子どもと向き合う時間があってからの撮影だった。運命的なタイミングでの出会いだったなと思っています」としみじみと語っていた。

演じた留美子に共感できることがたくさんあったようで、「以前は子どもさんと歩いていらっしゃる親子の姿を見ると、微笑ましいな、ほのぼのするなと思っていた」そうだが、菅野自身、「いや違う!ほのぼのとした時間は1日のなかのほんのわずかだ」と思うこともあるという。「こんなに命、子どもを育むことは大変なのに、できて当たり前みたいに思われている。子どもが生まれたんだから、母親、父親になって当然という先入観がある。実際はこんなに大変なことをしているのに、誰にも褒められない。なんてひどいんだ、つらいなと思う」と率直な想いを語る。

実際に「一昨日、洗い物をしていたら、ダイニングテーブルの上がボンドで真っ白になっていた」と子どもがやんちゃをしたことを思いだし、菅野は「なんでこんなにひどいことを!と」と苦笑い。「掃除にすごい時間がかかる。涙目になりながら、きれいに拭き取った。でもボンドがあったらそうなるよね…。“手が届くところに置いた私が悪い”という気持ちと、“私はいま、世界で一番不幸”という気持ちの両方」と笑顔で振り返っていた。


この日は、無観客でのイベントを開催。尾野は「映画ですので、映画館で観ていただきたい。いまこういう時期なのでどうなるかはわかりませんが、私たちは映画館でこの親子を観ていただきたく、心を込めて力いっぱい、この作品を作りました。いつかちゃんと皆さんが楽しく映画館に来ていただけるように、心から祈っています」と願い、「撮影の一週間は記憶がない」くらい役柄にのめりこんだという高畑も「映画館で観ていただきたい」とアピール。瀬々監督は「10年に1本くらいあるんですが、すごいことになったなという映画」と力強く語っていた。

取材・文/成田おり枝

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