木村文乃と平手友梨奈を撮り下ろし！『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』共演で意気投合

「木村さんは、どこかお姉さんみたいな存在となりました」(平手)

平手は今回、激しいアクションはなかったが、現場では岡田から武術の練習法を伝授してもらったそうだ。「私はアクションというものに触れるのが初めてだったので、ああ、こういう感じなんだ！と新鮮な感覚を覚えました。もともとアクションはやりたいなと思っていましたが、より一層、興味が湧きました」と、“岡田師範”に影響を受けたようだ。

岡田について平手は「撮影の合間に、いろんなお話をさせていただきました。濃くて深い話もたくさんしていただきましたが、『ごはん、ちゃんと食べてる？』と何度も聞かれた記憶があって、現場では“おとうさん”と呼んでいました」と笑顔を見せる。

今回、ファブルの宿敵となる宇津帆は、⼦どもを守るNPOの代表という表の顔を隠れ蓑に、裏では金儲けのために悪事を働いている。平手が演じるヒナコは足が不自由で、宇津帆の庇護を受けているが、その歪んだ関係性も露呈していく。

平手は、狂気をはらんだ宇津帆について「原作を読んでいたので、堤さんを見て、すごく宇津帆っぽいなと感じました。きっと堤さんにしか出せないただならぬ雰囲気を出されていたのではないかと。宇津帆やヒナコのキャラクターについては、監督たちとディスカッションしながら進めていきました」と撮影を振り返った。

クライマックスでは、あるシーンで宇津帆とヒナコの見せ場を迎えるが、木村もヨウコとして同シーンの目撃者となった。「平手さんの一番いい瞬間を押さえたいという監督の熱がすごかったのですが、平手さんはちゃんとお芝居で応えていきました。あの堤さんとほぼ二人芝居で、しかもかなり厭らしい言葉を浴びせられるシーンだったので、私は見ていて『10代の女の子になにを背負わせてんの！』と思っちゃいました(苦笑)。休憩時間には、みんなと楽しそうにお話をしてる平手さんを見ると、本当に普通の女の子だなと思うんですが、現場に行くと、凛として1人の役者に変わる瞬間があり、めちゃくちゃカッコ良かったです」。

平手は「今回、木村さんと絡むシーンはあまりなかったのですが、私の周りは男性キャストばかりで、唯一の女性キャストだったので、すごくうれしくて。木村さんはとても優しくて、私にも温かく接してくださいました。本当に、どこかお姉さんみたいな存在となり、すごくありがたかったです」とうれしそうだ。

木村も「本作だけで終わらず、次回作があればまた参加してほしいです」と言うと、平手も「そうなってほしいです！」と満面の笑みでうなずいた。

取材・文/山崎伸子