吉永小百合、『いのちの停車場』公開に感無量。映画館休業要請に「演劇は大丈夫だけど映画はダメ。ショックを受けました」と告白

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吉永小百合、『いのちの停車場』公開に感無量。映画館休業要請に「演劇は大丈夫だけど映画はダメ。ショックを受けました」と告白

5月21日に公開された吉永小百合主演映画『いのちの停車場』の公開記念舞台挨拶が、22日に丸の内TOEI1で無観客で開催され、全国259館で同時生配信された。松坂桃李、広瀬すず、⻄⽥敏⾏、南野陽⼦、柳葉敏郎、みなみらんぼう、泉⾕しげる、⽥中泯、原作の南杏⼦、成島出監督が登壇。吉永は本作が公開延期をしなかったことについて「とてもうれしいことですが、ただ、とても残念なことがありました」といまの胸中を明かした。

野呂聖二役の松坂桃李
野呂聖二役の松坂桃李

イベントの開始に先駆け、東映株式会社の手塚治代表取締役社長が登場。本作について「コロナ禍というリスクを抱えながらも、日本を代表する多くの役者さんにお集まりいただき、スタッフやキャストが一眼となり作った作品です」としたうえで「弊社としまして、映画を愛する皆さまに向け、このような時だからこそ、映画で心を癒やしていただけたらという想いから、この作品を公開するということに踏み切った次第です。映画は娯楽で、人の心に欠くことのできない要素で、心のビタミンのようなものだと思っております」と訴えつつも、緊急事態宣言の収束を願った。

星野麻世役の広瀬すず
星野麻世役の広瀬すず

吉永は、ライブ配信を観てくれている観客に心からのお礼を述べたあと「昨日、映画は封切られましたが、緊急事態宣言が延長になって、映画館は休業要請が出てしまったんです。演劇は大丈夫だけど、映画はダメって伺って大変ショックを受けましたし、悲しかったです。くじけそうになりました」と悲しげな表情を見せた。

続いて「でも今日、このように全国の皆さまの前でご挨拶ができるというのは、ここにお客様がいらっしゃらないからだと」と無観客だからこそ開催できたと自分を慰めたそうで「きっと日本中のみなさまに映画をごらんいただけると思っております」と願いを込めた。


松坂も「公開されない劇場があるなかで、『いのちの停車場』が上映を延期せずにやることが、僕はすごく大きな意味があると思っています。少しでも多くの方々に観ていただき、この状況下でなにを感じるのか、また、改めて自分のなかで問い正していけるのではないかと。しっかりみなさまのなかに届いていけばいいなと思っております」と挨拶。

広瀬も「私も悔しいなと。待つしかない、辛抱するしかないという気持ちもあります」と苦渋をにじませながら「無事、昨日公開されたことをうれしく思っております。このような時期ですが、いまだからこそ、映画館で観てほしいです」と力強く語った。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

最後に吉永は、「本作で、医療関係のみなさまには大変温かいサポートをいただいたり、映画の感想を寄せていただきました。こんなに大変な時期に映画を観てくださって、私たちに力をくださったことに本当に感謝してます」と声を震わせ「また、マスコミの方々も温かい記事を書いてくだったことも非常にうれしかったです。そして、今日映画を観てくださっているみなさまにも心から御礼を申し上げます」と頭を下げた。

舞台挨拶中、みなみらんぼうが言葉を詰まらせ、体調不良のために退出するというハプニングも。この時、真っ先に「お水を」と言ってすぐに動いたのが吉永で、まさに座長ならではの責任感や気遣いを発揮。現役医師である南も中座したが、すぐに席に戻った。みなみは軽い貧血だったようで、その後、フォトセッション時には再び登場し、全員を安堵させた。

取材・文/山崎伸子

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