北米興収は「ソウ」シリーズ最新作が2週連続V!中国では『ワイスピ』最新作がロケットスタート
先週末(5月21日から23日)の北米興収ランキングは、前週に引き続き「ソウ」シリーズの最新作『Spiral』が首位を獲得。興収は前週比ほぼ半減と大きく数字を落としているものの、平日も順調に興収を積み重ねて北米累計興収1500万ドルを突破。2位のガイ・リッチー監督作品『Wrath of Man』や、3位のアンジェリーナ・ジョリー出演作『Those Who Wish Me Dead』など、上位作品に大きな変動は見られなかった。
一方で、北米公開から5週目を迎え6位にランクダウンした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)は、21日金曜日の時点で『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』(99)の興収4375万8684ドルを上回り、北米で公開された日本のアニメ作品歴代2位に浮上。
また8位には昨年劇場公開を見送りVOD公開となった『弱虫スクービーの大冒険』が、9位にはトニ・コレット主演の競馬映画『Dream Horse』が初登場を果たした。
そんななか、北米では6月25日(金)に公開される『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(日本8月6日公開)が、中国や韓国、香港、ロシアなどで早くも公開を迎え、全世界興収1億6300万ドルを突破する大ヒットを記録している。その興収のうち大部分の1億3600万ドルを占めるのはもちろん中国市場で、この数字は一昨年公開されたシリーズのスピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(19)のオープニング興収9493万ドルを大きく上回っている。
この輝かしいスタートダッシュを受けて、北米では1年以上つづく映画業界全体の苦境を同作が吹き飛ばしてくれるだろうという期待が日増しに高まっている。
映画館の営業再開とともに、着実に復調の一途を辿る北米の映画界。28日(金)にはディズニーの『クルエラ』(公開中)やユニバーサルの『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(日本6月18日公開)が公開されるなど毎週ビッグタイトルが控えているだけに、『ワイスピ』で一気にかつてのような賑わいを取り戻す可能性も充分だろう。
文/久保田 和馬