『映画大好きポンポさん』清水尋也、思い出の映画館での舞台挨拶に感激!小原好美はデビューまでの葛藤をナタリーに重ねる
杉谷庄吾【人間プラモ】の同名コミックをアニメーション映画化した『映画大好きポンポさん』(公開中)の大ヒットを記念した追加舞台挨拶が6月26日に立川のシネマシティで行われ、主役のジーンを演じた清水尋也と、物語のキーマンとなるポンポさん役の小原好美、平尾隆之監督が登壇。ジーンをイメージしたチェックのシャツ姿で現れた清水が、「地元が近い。学生時代や小さな頃からしょっちゅう来ていた映画館」と告白。「思い出に残る日になりました」と感無量の面持ちを見せた。
本作の主人公となるのは、敏腕映画プロデューサー、ポンポさんのもとで製作アシスタントをしている青年ジーン。映画を撮ることに憧れつつも、自分には無理だと卑屈になっていたジーンが、ポンポさんに才能を見いだされ、映画監督に大抜てき。新人女優のナタリー(大谷凜香)をヒロインに迎えて、映画撮影に挑む姿を描く。
小規模な公開ながら、6月4日からの累計興行収入は1億円を突破する大ヒットを記録している本作。小原は「こうして追加で舞台挨拶ができるのは、初めての経験」だそうで、「本当にうれしいです」と喜びを噛みしめていた。
劇中のジーンは地味な青年ながら、清水は「いざ映画が完成してみると、最後の方はかっこよくてしかたなかった」とジーンの成長に惚れ惚れ。小原が「清水くんが演じたから、よりジーンくんはかっこよくなった」と絶賛すると、清水は「そんなにほめてくれるんですか?」と照れ笑いを見せ、会場からも大きな拍手が上がった。清水は「みんなグルですね!」と再び照れまくり、観客の笑いを誘っていた。
リピート鑑賞だけでなく、副音声コメンタリー上映も鑑賞済みという観客が多く駆けつけたこの日。平尾監督は、本作の大きな魅力となっている“上映時間90分”という分数について、とっておきの裏話を披露した。平尾監督は「90分のカウントをするスタートは、どこからかわかりますか?」と会場に語りかけ、「映画の冒頭で、右上に黒丸がポッと出てくるカットがあります。あれが90分のカウントの始まりです」とにっこり。清水は「それ、副音声で言いました?何回か、監督のこの手口に驚かされている。怖い!」と、さらりと大きな秘密を明かす平尾監督を見て目を丸くした。小原も「鳥肌が立った!」と声を上げ、これには会場も大笑い。平尾監督は「もしもう一回観ることがあれば、冒頭は右上にも注目してください」と話していた。
また小原が「私は、ナタリーに自分を重ね合わせていた」と打ち明けるひと幕も。「私も役者を始める前は、事務所探しや、履歴書を送るところからスタートしていて。ナタリーが“オーディション30連敗”と言っているのも、すごくわかる。いろいろな人がきっと、どこか戦いながら日々を頑張って生きていると思うので、『ナタリーは、自分と同じ境遇だな』と共感しながら観ることもできると思います」といろいろな視点から楽しめる映画だとアピール。
清水は「僕自身、ずっと憧れだった声優業への挑戦。それをこんなにすばらしい作品で迎えることができて、本当にたくさんの方に愛して、応援していただけた作品になった。さらに追加で舞台挨拶をさせていただくこともできたなんて、幸せなことしかない」としみじみと語り、会場から大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝