『ブラック・ウィドウ』、コロナ禍以降の北米で新記録!ディズニープラスでの収益も発表に
ついに公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『ブラック・ウィドウ』(日本公開中/ディズニープラス プレミアアクセスにて配信中)が初登場1位を飾った先週末(7月9日から11日)の北米興収ランキング。注目が集まったオープニング興収は8036万6312ドル。これは3週間前に公開された『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(8月6日日本公開)を1000万ドルほど上回る、コロナ禍以降の最高記録となった。
当初は2020年5月1日に公開を予定していた『ブラック・ウィドウ』。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて何度も公開延期を重ね、一時は劇場公開を見送りディズニープラスのみで配信される可能性もあるのではないかと危惧されていた。しかし国内の情勢の安定も相まって無事に劇場公開に漕ぎつけ、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19)以来、実に2年ぶりにMCU作品が劇場に帰ってくることに。
北米での累計興収は公開6日目の水曜日に1億ドルを突破したと言われており、その熱狂ぶりは期待通り。これまでのマーベル作品のオープニング興収と比較してみると(MCUの24作品中半分がオープニング1億ドルを突破しているので感覚が麻痺してしまいそうにはなるものの)、『アントマン&ワスプ』(18)を上回るまずまずの数字。ソニー・ピクチャーズ配給の『ヴェノム』(18) とほぼ同水準であり、北米累計興収2億ドル到達も夢ではなさそう。
ちなみに本作は『ムーラン』(20)や『クルエラ』(日本公開中/ディズニープラス プレミアアクセスにて配信中)と同様、劇場公開と同時にディズニープラスのプレミアアクセスで配信公開もされており、その収益は初週末のみで6000万ドルにのぼったとの発表が。これまでのプレミアアクセス作品の収益が発表されていないので比較はできないが、劇場と配信の両方で大成功を果たしたとみて間違いないだろう。本格的に“共存”を実現させた最初の作品として、これまでのMCU作品にはない価値が与えられることになりそうだ。
一方『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は公開3週目にして2位に転落するも北米累計興収1億4000万ドルを突破し、公開7週目でも5位にねばる『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(日本公開中)も1億5000万ドルを突破。2021年の北米年間興収のトップをめぐる両者の熾烈な争いに今後『ブラック・ウィドウ』が加わるのは確実で、もしかするとすんなり超えて一気にトップに躍りでることも充分に考えられる。
文/久保田 和馬