可愛いけどお酒が大好き!人を化かす動物妖怪・川獺【妖怪大図鑑】

コラム

可愛いけどお酒が大好き!人を化かす動物妖怪・川獺【妖怪大図鑑】

勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!

渡辺ケイ(寺田心)は、ひょんなことから勇者に選ばれ、妖怪の世界に足を踏み入れる
渡辺ケイ(寺田心)は、ひょんなことから勇者に選ばれ、妖怪の世界に足を踏み入れる[c]2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。

日本の妖怪たちの仲間として登場する川獺
日本の妖怪たちの仲間として登場する川獺[c]2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

第23回:人を化かす動物妖怪・川獺


今回紹介する川獺は日本全国に出没する動物で、狸や狐と並んで古くから人を化かすとされてきた。美女や子どもなどに化けるとされるのが一般的で、江戸時代の怪談集「太平百物語」には、美女に化けた川獺に殺されてしまうという話も描かれているなど、少々度が過ぎたいたずら好き。また、一部の地域では大坊主や生首のような妖怪に化けるとか。映画『妖怪百物語』(66)でも描かれた有名な本所七不思議の一つ「置いてけ堀」は、河童や狸の仕業との見方が一般的だが、なかには川獺の仕業という説も。

本作では日本の妖怪たちの仲間として登場。人間には化けておらず、くりくりとした目の愛らしい川獺の姿のまま笠を被り、いつも古い酒樽と“獺”と書かれた提灯を持ち歩いている。これは「ゲゲゲの鬼太郎」などに登場する川獺の妖怪と同じ姿で、酒好きのイメージも水木しげるの「妖怪大図鑑」の記述からきたものと考えられる。いずれにしても、この見た目で酒好きというギャップはかなり大きめ。

ヤミットなどいろんなシーンに登場する川獺、是非とも探してみては!
ヤミットなどいろんなシーンに登場する川獺、是非とも探してみては![c]2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

出番は決して多くないが、世界妖怪会議<ヤミット>のシーンやクライマックスシーンでも存在感を示す川獺。『妖怪大戦争 ガーディアンズ』本編で、その姿を探してみてほしい!

文/久保田 和馬


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