『妖怪大戦争』ファンにはおなじみ!油瓶を提げたローカル妖怪・油すまし【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第30回:油瓶を提げたローカル妖怪・油すまし
今回紹介する油すましは、熊本県の天草市だけに伝わるローカル妖怪で、正式には「油ずまし」という。油瓶を提げた状態で峠道に現れ人を脅かすと言われているが、一次資料である「天草島民俗誌」にもそれ以上の記載がなく、多くが謎に包まれた妖怪。後々、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」などの影響もあり、蓑をまとった地蔵のような見た目が定着したり、油を盗んだ罪人の霊が妖怪となったなどと伝えられるようになる。
本作では日本の妖怪たちの仲間として登場。妖怪の世界に迷い込んでしまったケイが、次々と現れる妖怪たちの歓迎に慌てふためくなか、画面の右から左に颯爽と駆け抜けていく。映画『妖怪大戦争』(68)では妖怪たちのリーダー的存在として、関西弁を話すユニークなキャラで大活躍し、竹中直人が同役を演じた『妖怪大戦争』(05)では、顔を小さくするパフォーマンスを披露していた油すまし。
世界妖怪会議<ヤミット>のシーンやクライマックスシーンには、たくさんの妖怪たちが大集合。そのなかに油すましも登場するので、よく目を凝らして見つけてほしい!
文/久保田 和馬