ケイを妖怪の世界へ誘う!枕を抱えた小さな妖怪・枕返し【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が8月13日(金)から公開。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第35回:枕を抱えた小さな妖怪・枕返し
今回紹介する枕返しは、寝ている人の枕元に現れる妖怪。起こさないようにそっと枕をひっくり返したり、別の場所へと移動させるため、現代ではいたずら好きと考えられている。しかし昔は、枕は別の世界へ移動するための呪具と考えられ、枕を返すと魂が身体に戻れなくなるとのことで、枕返しは恐ろしい妖怪と言われていた。静岡県や香川県の一部では枕小僧とも呼ばれ、東北地方では座敷童子が同じようないたずらをするなど、全国各地に類似した言い伝えが残されている。
マメ山田が演じている本作では、日本の妖怪たちの仲間であり、一番最初にケイの前に姿を現す妖怪として登場する。赤いおみくじを引いた夜、眠っているケイの布団の中からそっと現れ枕を引き抜く。そして気が付いたケイを押さえつけ、「これあげる」と言って葉っぱを渡し、妖怪の世界へと導く。そのままケイの枕を持って行ってしまうようで、以後の登場シーンでは常にそれを抱えた状態で登場しているのがユニークだ。
ケイを妖怪の世界へ連れていく大事な使命を任された枕返しは、慌てふためくケイを枕で攻撃したりなど見せ場も十分。いよいよ明日から公開される『妖怪大戦争 ガーディアンズ』では、小柄でいたずら好きな枕返しにも注目だ!
文/久保田 和馬