ふわりと宙に舞う!ポップでキュートな風妖怪・中富の風【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第38回:ポップでキュートな風妖怪・中富の風
今回紹介する中富の風は、「所沢の妖怪」をテーマに所沢市とその近郊に住む小学生を対象にして行われた「角川むさしの妖怪絵コンクール」から生まれたオリジナル妖怪。水色の髪の毛と着物の袖で風を巻き起こす妖怪で、頭にはツノも生えている。ちなみに西日本や九州などでは“風”が自然現象ではなく一種の妖怪のような霊的なものとも言われている。名前にある“中富”とは、所沢市北東部に位置する地名。
本作では2つのシーンでその姿を確認することができる。妖怪獣の襲撃で混乱する街のなかで、スネコスリと仲良くなるダイの様子を見守る、日本妖怪たちの後ろのほうにたたずむ姿。そしてクライマックスで、とある歌を聴いてふわりと宙に舞う姿。いずれもほかの妖怪たちにはない、カラフルで現代的な色合いで目を引くものがある。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』には、ほかにも所沢の子どもたちが考えたオリジナル妖怪が登場。名前に所沢の地名が付けられた中富の風は、そのポップな見た目も相まってローカル妖怪として人気を集めることだろう!
文/久保田 和馬