しがみついたら離れない!赤ん坊に化けた妖怪・子泣き爺【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が現在公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第39回:赤ん坊に化けた妖怪・子泣き爺
今回紹介する子泣き爺は「ゲゲゲの鬼太郎」によって広く知れ渡っている反面、その実態がつかめない妖怪。徳島県の山間部に伝えられており、老人の姿をして赤ん坊のように泣くと言われていたり、赤ん坊に化けて泣いていると言われていたり。また一度抱き上げてしまうと強い力でしがみつき絶対に離してくれない、もしくはだんだん重くなって相手を押しつぶしてしまうという話も。四国地方にはほかにも「ゴギャ泣き」など赤ん坊の泣き声をする妖怪がおり、赤ん坊が徐々に重くなるのは「産女」にも似ている。これらの話が融合して生まれたのではという説が有力だ。
本作では赤ん坊の姿をして顔だけが老人という姿で、序盤のシーンに少しだけ登場する。妖怪たちの世界に迷い込み、次々と現れる妖怪たちに慌てふためくケイ。二口女を見つけて驚いたのも束の間、突然赤ん坊の泣き声が…。いつの間にか腕のなかに子泣き爺がおり、すぐさま払い除けて難を逃れることに成功。油断していたら危なかったかも…。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』には子泣き爺以外にも一反木綿や油すましなど、有名な妖怪たちが少しずつ登場している。一度観た人ももう一度劇場に足を運び、妖怪探しをしてみては?
文/久保田 和馬