人々を震え上がらせた最強の鬼!鬼一族を引っ張る二刀流・酒呑童子【妖怪大図鑑】
勇者に選ばれた少年と個性豊かな妖怪たちが巨大な“妖怪獣”に立ち向かう、大人から子どもまでドキドキしながら楽しめる、夏休みにぴったりの映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が現在公開中だ。この連載「妖怪大図鑑」では、本編に登場する妖怪&人間たちを一挙に紹介。映画の予習にはもちろん、映画を観たあとに気になったキャラクターのトリビアまで丸わかり。ちょっとコワくて、どこか憎めない、お気に入りの妖怪を探してみよう!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』は、伝説の妖怪ハンターの血を引く気の弱い小学生、渡辺ケイ(寺田心)が廃校の神社で赤いおみくじを引いたことから始まる物語。フォッサマグナから現れた巨大な“妖怪獣”を倒すため、勇者を待ち望む妖怪たちの世界へ導かれていくケイが冒険のなかで出会うのは、見た目も個性も様々な妖怪たち。ケイと妖怪たちは妖怪獣に対抗するため、最終兵器“大魔神”を復活させることに。
第41回:鬼一族を引っ張る二刀流・酒呑童子
今回紹介する酒呑童子は、平安時代に丹波国の大江山に生息したといわれる最強の鬼。京の町を荒らしては、人を攫って食ってしまうと恐れられており、源頼光が率いる渡辺綱ら四天王によって退治されるという伝説は様々なかたちで語り継がれている。その存在を世に知らしめた「御伽草子」によれば、元々は新潟で生まれた美少年であり、彼に相手にされなかった女たちの呪いで鬼と化したとか。映画『大江山酒天童子』(60)では、時の大スター長谷川一夫が演じ、妖怪たちのリーダーでありつつも志を持った革命家として描写されている。
濱尾ノリタカが演じている本作では、茨木童子と共にケイたちの前に立ちはだかる鬼の一族を率いる。大きなツノを持ち、片目には大きな傷があるのが特徴で、かなり好戦的な茨木童子とは対照的に終始落ち着いた様子を見せる。二刀流の使い手であり、その威圧感はなかなかのもの。言い伝えの通りお酒が大好きであり、源頼光に討たれた時と同様、すぐに油断してしまうのが玉に瑕か。
武神様の元へ向かおうとするケイたちの前に立ちはだかる最強の鬼たち。はたしてこの戦いのゆくえは…。『妖怪大戦争 ガーディアンズ』には見どころが満載だ!
文/久保田 和馬