まるで親子のよう!大沢たかお&寺田心が明かす、超大作『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の舞台裏
「杉咲さんはお姉ちゃんみたい。でも、本番の瞬間になにかが変わるんです」(寺田)
――謎の妖怪剣士、狐面の女を演じた杉咲花さんの印象も教えてください。
大沢「実は僕、彼女とは撮影現場で一緒になっていなくて。クランクイン前の撮影の無事を祈るお祓いの時に少し顔合わせをしただけで、その次は完成した作品のなかの彼女を観た時だったんです。でも、あの狐の面をパッと取った時の眼の力はすごかったですね。すごく強い眼をした女性だなというのが、いちばん印象に残っていることです」
寺田「僕はたぶん、いちばん長く一緒にお芝居をさせていただいたんですけど、杉咲さんはお姉ちゃんみたいだったから、家族と普段過ごしているような感じで話をさせていただきました。食べ物の話が多かったような気がします(笑)」
――劇中では、ケイくんが狐面の女から刀をもらうシーンが印象的でした。
寺田「杉咲さんはいまお話ししたように、撮影の合間は僕が話しかけると『そうだよね~』ってお姉ちゃんのように優しく接してくださるんですけど、『よ~いスタート!』ってなった瞬間になにかが変わるんです。あの妖刀“鬼切丸(おにきりまる)”をもらうシーンを撮影した時も、なんて表現したらいいのかわからないんですけど、自分が持っていかれるような、不思議な感じがしました。その演技がすごすぎて、僕もお芝居をしている感覚がなかったです」
――大沢さんは、大島優子さんが演じた雪女とのシーンが楽しかったですね。
大沢「まあ、あの一連はシャレのシーンですからね(笑)。お客さんにちょっとホッとしてもらう息抜きのシーンだと思います」
寺田「僕は初めて挑戦したワイヤー・アクションが楽しかったです。アクション部の方に刀の振り方なども教えていただいたし、刀を持ったまま『ウワ~』って吊られたり。アクションは、これからも勉強していきたいです」
大沢「すばらしいですよね。僕らにとっては普通のサイズでも、心くんにとってはけっこう大きい刀なので、よくできるものだと思いました」
――本作では「鎮め歌」を一緒に歌うシーンもありました。
大沢「不思議な歌でしたね(笑)。それに意外と難しいメロディだし、歌詞を読んでも意味がよくわからないところがあって。まあ、気持ちで歌うことが大事なんだなと思いました」
寺田「昔の言葉だからなのか、ちょっと謎に包まれていて、歌詞の意味を理解するのは難しかったけれど、歌詞やメロディの雰囲気から妖怪獣を鎮めたいという想いや戦いたくないという気持ちが詰め込まれた歌なのかなって解釈しました。ケイや隠神刑部だけではなく、ほかの妖怪たちも一緒に合唱するシーンは特にそういう意味合いが強いような気がします」
「見事に完成された作品になっていて、三池監督を改めて尊敬しました」(大沢)
――寺田さんは、今作で初めて三池監督の現場を体験されました。大沢さんはこれまでにも『藁の楯』(13)、『風に立つライオン』(15)でご一緒されていますが、今回の現場で三池監督の演出や指示で印象に残っていることはありますか?
寺田「『お芝居はいつまでも勉強だ。大人になっても学ぶ姿勢がいちばん大事だ』って教えていただきました。少しできたときに“これぐらいでいいや”ってやめるのではなく、“こうすれば、もっとよくなるんじゃないか!”。そういう、大人になっても学び続ける姿勢が大事だということを伝えてくださって、その言葉はとても心に残っています。僕も三池監督に認めてもらえるような俳優になれるように、頑張っていきたいです!」
大沢「今回はCGが絡むシーンが本当に多くて、撮影現場ではどんな仕上がりになるのかわからないカットもいっぱいあったんです。三池さんはこれまでの経験で、そこをCGの映像でまんまとハメてきたからスゴいと思いました、最初に話したように、状況的にはなかなか厳しい撮影だったので、“僕の顔だけ撮って、後で本当に上手くハマるのかな?”ってちょっと心配したけれど、ものの見事に一つの完成された作品になっていたので、改めて尊敬しましたね」
――気が早いんですけど、さらなる続編が作られるとしたら、今度はどんなことをやりたいですか?
大沢「平成、令和の次の時代の話になると思うけれど、僕が違う妖怪になったらヘンですよね(笑)。なので、今回と同じように隠神刑部をベストを尽くしてやるだけですよ」
寺田「僕がいちばん気になるのは“あのお方”です。妖怪たちが恐れていた“あのお方”っていったい誰? そこを想像するだけでワクワクしちゃいます!」
取材・文/イソガイマサト